拡大する食料価格の不安…「消費クーポン」や「割引支援」も刺激要因になるうる=韓国
拡大する食料価格の不安…「消費クーポン」や「割引支援」も刺激要因になるうる=韓国
韓国で気候変動により食料価格の不安があらゆる方面で拡大している。記録的な猛暑や集中豪雨によって農畜水産物の生産量が全体的に打撃を受け、価格が急騰している。政府が消費促進のために支給する13兆ウォン規模の「民生回復消費クーポン」も、物価を刺激する懸念がある。

 政府は消費者の負担を軽減するために、年間数千億ウォン規模の割引支援予算を投入しているが、これも一時的な対策に過ぎないという指摘が出ている。

 28日、韓国農水産食品流通公社(aT)によると、白菜1玉の小売価格は5439ウォンで、前月比50.21%上昇した。ホウレンソウ100gの小売価格は2309ウォンで、前月比157.14%の急騰となった。夏の代表的な果物であるスイカ1玉の小売価格も2万9281ウォンで、前月比29.36%上がり、メロン1玉の価格も1万406ウォンと、1年前より20.82%上昇した。

 異常な猛暑と記録的な豪雨によって農作物が大きな被害を受け、物価上昇を招いている。農林畜産食品部によると、24日時点で全国の農作物浸水面積は合計3万239ヘクタールと集計された。品目別では、コメ(2万5942ヘクタール)と水田大豆(2079ヘクタール)の被害が最も大きく、トウガラシ(269ヘクタール)、ネギ(264ヘクタール)、イチゴ(178ヘクタール)、スイカ(160ヘクタール)、メロン(154ヘクタール)などにも被害が出た。

 畜産物の価格も上昇傾向にある。豪雨による家畜の被害が相当であるうえ、消費クーポンの支給によって畜産物の消費が増えたことも、物価に影響を及ぼしているとの分析だ。今回の豪雨で家畜180万頭が死亡し、内訳は鶏145万5000羽、アヒル15万2000羽、豚975頭、牛768頭である。

 さらに、豪雨の直後に再び猛暑が襲い、農畜産物の価格上昇は避けられない見通しだ。農食品部は、猛暑と豪雨の影響により、野菜などの供給が短期的に減少するが、8月以降には安定を取り戻すだろうと見ている。そのため、政府は備蓄量の拡大や農畜産物の割引支援など、物価安定対策を実施する計画だ。

 しかし、異常気象が年々深刻化する中、食料価格の不安はますます大きくなっている。統計庁によると、先月の消費者物価指数は116.31で、基準年である2020年(100)に比べて16%上昇した。一方、農畜産物の物価指数は同期間で121.31と、全体の物価よりもさらに大きく上昇している。

 政府は消費者の負担を軽減するため、毎年数千億ウォン規模の農畜産物割引支援予算を編成しており、その規模も増加傾向にある。政府は2023年から毎年、農畜産物の割引支援に1080億ウォンを編成しているが、予算不足により追加の資金を投入している。2023年と2024年には、それぞれ予備費を通じて225億ウォン、587億ウォンを追加で編成した。

 今年はすでに上半期に割引支援予算を全て使い果たし、補正予算を通じて1200億ウォンを追加で計上した。昨年の2倍以上の規模だ。このうち、夏季の農畜産物割引支援に350億ウォンを使用し、残りはチュソク(秋夕)とキムチの漬け込み時期の物価対策に活用する計画である。

 専門家たちは、このような割引支援は一時的な効果はあるかもしれないが、供給が不足している状況で過剰消費をあおり、かえって物価を引き上げる可能性があると指摘する。インハ大学経営学科のホン・ギヨン教授は、「異常気象によって政府の物価管理はますます困難になっている」とし、「一時的な対策ではなく、強い品種の開発や流通構造の改善など、根本的な解決策が必要だ」と強調した。
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