大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、2022年時点のフードテック関連の世界の投資額は532億ドル(約7兆9000億円)を記録した。そのうち、米国や欧州、中国が主要な投資国であることが分かった。特に、代替たんぱく質と細胞培養技術が投資家の間で高い関心を集めている。
日本は相対的にフードテック分野で出遅れていたが、2020年に日本政府と民間が協力する民官協議会をスタートさせ、政府の政策的支援と産業界で技術を磨くシナジー効果を発揮して急速に発展中だ。
日本は農林水産省を中心に「フードテックビジョン」を発表した。これを通じて代替タンパク質および細胞培養食品の開発のための研究支援や、規格外農産物のアップサイクリング技術およびAIを使用した流通システムの構築、AIやロボットを活用した農業生産性の向上、個人の健康データをもとにオーダーメイドで機能性食品を提供することなどを推進している。
その中でも代替タンパク質は、これまでの畜産業の環境的・経済的な負担を緩和しながら、持続可能なタンパク質の供給源を提供する技術として注目されている。グリラス(Gryllus)社は食用のコオロギを使用し、たんぱく質バーやチョコレートなどを商業化した。昆虫たんぱく質は高たんぱくであるとともに、温室効果ガスの排出量が牛肉生産に比べて100分の1程度で、効率的なたんぱく質源として注目されている。
ダイズ(DAIZ)社は大豆の発芽技術を活かして植物性の肉類を開発した。発芽過程でたんぱく質の含有量と風味を最大化し、従来の植物性肉の限界だった味と食感を改善させた。同社の代表的な製品である植物性肉「ミラクルミート」は、健康と持続可能性を全て満たす製品と評価されている。
細胞培養食品は動物の細胞を体外で培養して肉と同じたんぱく質を生産する技術で、畜産業の環境負担を減らして持続可能なたんぱく質の供給システムの構築を可能にする。細胞培養食品は近年日本でもさまざまな産業分野に広がり注目されている。インターグリカルチャー(Integriculture)社は独自の細胞培養システムを開発し、コスト効率の高い細胞培養食品の生産を実現している。
代表的な事例としては、卵黄の外膜細胞純化培養液を使用して製造した化粧品の原料「セラメント」を含んだ美容クリニック専用製品がある。日本国内の美容医療需要の増加に合わせ、持続可能な原料代替技術として注目されている。
スマート農業はAIやロボット工学、IoT技術を利用して農業の生産性を最大化し、資源の浪費を最小化する革新的システムとして注目を集めている。日本は先端技術を積極的に導入し、農業分野の革新を先導している。テックマジック(TechMagic)社はAI調理ロボットを開発し、外食産業の生産性向上とコスト削減に寄与している。
この調理ロボットは、パスタやチャーハンなどさまざまな料理を自動的に調理することができ、人件費と食材の浪費を減らすことができ、少子高齢化による日本の労働力不足問題を解決すると評価されている。
KOTRAの関係者は「韓国企業は日本の戦略と事例を参考にして、代替たんぱく質と細胞培養技術分野の協力機会を模索し、フードロスの削減とアップサイクリング技術などの革新的技術を導入して国内のフードテック産業の競争力を高めなければならない」と強調している。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107