ネイバー株価急騰、10倍上昇観測にも役員は大量売却=韓国
ネイバー株価急騰、10倍上昇観測にも役員は大量売却=韓国
韓国の国民的ポータルサイト「ネイバー(NAVER)」の株価が上昇を続ける中、同社の役員が保有する株式を売却していることが明らかになった。

 韓国IT業界によると、6名のネイバー役員が先月、合計1万2594株、約29億9900万ウォン(約3億1918万円)相当の株式を売却した。最も多く売却したのは、キム・スンオン事業・サービスリーダーで、9630株を1株あたり約23万6250ウォンで売却し、22億7400万ウォン(約2億4200万円)を利益として得ている。また、別の役員は500株を29万1000ウォンで売却しており、これは処分単価として最も高い金額だった。

 今回売却された株式は、ネイバーが役員に支給した自社株賞与とみられている。ネイバーは制限条件付株式(RSU)制度を通じて、KOSPI200指数に対する相対的な株価上昇率に応じて自社株を付与している。

 ネイバーの株価は1か月で38.67%上昇しており、上昇トレンドを維持している。イ・ジェミョン(李在明)政権がネイバーのハ・ジョンウ元クラウドAIイノベーションセンター長を初代AI未来企画首席に任命し、さらにネイバーのハン・ソンスク元代表を中小ベンチャー企業相に指名したことで、投資家の関心が高まっている。

 人工知能(AI)産業振興による恩恵も期待されている要素だ。科学技術情報通信省は今月21日まで、独自のファウンデーションモデル開発に参加する企業を募集している。ネイバーがプロジェクト参加の意向を示していることから、IT業界ではネイバーを有力な候補と見なしている。科学技術情報通信省は、選抜されたAI開発企業に対し、グラフィック処理装置(GPU)やデータセットなどを提供する予定だ。

 韓国証券業界ではネイバーの目標株価を引き上げている。ハナ証券とサムスン証券がそれぞれ32万ウォン、35万ウォンに上方修正し、NH投資証券は38万ウォンと最も高い目標株価を提示した。株価が40万ウォン台を推移していた2021年には、「株価100万ウォン・時価総額150兆ウォン」という観測まで飛び交った経緯もあり、投資家は期待感を募らせている。

 NH投資証券のアン・ジェミン研究員は、「ハ・ジョンウ首席の任命により、国内AI産業への政策的支援が期待される」と分析している。また、「ソブリンAI、大規模言語モデル(LLM)、インターネットデータセンター(IDC)など、多様な領域でネイバーのAI競争力が再び注目されるだろう」と述べた。
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