フランス政府がパリに駐在する北朝鮮外交官と、その家族とみられる2人に経済制裁を科したことが分かった(イラスト)=(聯合ニュース)
フランス政府がパリに駐在する北朝鮮外交官と、その家族とみられる2人に経済制裁を科したことが分かった(イラスト)=(聯合ニュース)
【パリ聯合ニュース】フランス政府がパリに駐在する北朝鮮外交官とその家族とみられる2人の計3人に経済制裁を科したことが30日、分かった。

 フランスの経済・財務省は4月30日、パリにある北朝鮮代表部の参事官、キム・チョリョン氏(61)が所有・管理するすべての資金と経済的資源を凍結した。チョン・ミギョン氏(59)とキム・ヒョギル氏(28)も制裁対象になったが、2人はキム氏の家族と推定される。

 経済・財務省は3人と、3人が管理・所有している法人、3人の指示を受けて行動する個人に直接・間接的に資金や経済的資源を提供する行為も禁じた。

 3人が制裁対象となったことは5月7日、フランス政府の官報に掲載された。制裁期間は掲載日から6カ月間で、今年11月までとなる。

 フランス政府は2004年に大量破壊兵器の拡散防止を目的に採択した国連安全保障理事会決議1540号の第2項と16年に北朝鮮の4回目の核実験を受けて採択した安保理決議2270号の第18項を制裁の理由に挙げた。

 聯合ニュースは経済・財務省に対し、キム・チョリョン氏の身分や具体的な制裁理由などを問い合わせたが、同省は「個別事例については言及しない」と回答を拒否した。

 北朝鮮政権は制裁回避のため、海外公館の外交官を外貨やぜいたく品の流入ルートとして利用しており、フランス当局に摘発された可能性がある。

 過去には南アフリカ駐在の北朝鮮外交官がモザンビークでサイの角を密売したことが摘発され、追放されたことがある。北朝鮮の外交官は国境通過時の検査免除などの外交特権を利用し、金塊やウィスキー、シガーなどを密売し外貨を稼いでいるとされる。

 北朝鮮はフランスと国交を結んでいないため、パリに外交公館を設けていない。パリに本部がある国連教育科学文化機関(ユネスコ)に代表部を派遣しており、同代表部が状況に応じてフランス政府との外交業務を担当している。


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