G7各国と招待国の首脳による記念撮影=17日、カナナスキス(聯合ニュース)
G7各国と招待国の首脳による記念撮影=17日、カナナスキス(聯合ニュース)
【カナナスキス(カナダ西部)聯合ニュース】主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するためカナダを訪問した韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は18日午後(現地時間)、就任後初となる首脳外交を終え、帰国の途についた。

 今月4日に就任してから初めての海外訪問で、李大統領が掲げていた「国益中心の実用外交」が示される場となった。

 今回のサミットにはG7加盟国の米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、日本、カナダのほか、オーストラリア、ブラジル、インド、メキシコ、南アフリカ、ウクライナ、韓国の首脳が招待された。

 ◇韓米首脳会談見送りも韓日会談で成果 「首脳外交の完全復活」

 李大統領は今月16日に韓国を発ち、現地時間17日午後(日本時間18日午前)、日本の石破茂首相と就任後初めての首脳会談を行った。また各国の首脳と親交を深め、国際情勢など懸案について意見を交換した。

 ただ、今回のカナダ訪問の最大の成果になると関心を集めていたトランプ米大統領との初会談は、トランプ氏が中東情勢への対応を優先して予定を繰り上げて帰国したため、実現しなかった。大統領室は、最も早い時期に訪れる機会に合わせた韓米首脳会談を再推進すると説明している。

 大統領室は、李大統領の今回の訪問の成果として、韓国の民主主義が回復し、首脳外交が復活したことを国際社会に知らせた点をまず挙げた。また李大統領が掲げる「国益中心の実用外交」が第一歩を踏み出したことにも意味があるとした。

 すべての2国間会談で例外なく貿易、投資、通商、サプライチェーン(供給網)、エネルギーなど韓国経済に役立つ実質的な協力策についての議論があった点も強調した。

 大統領室の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は李大統領のカナダでの日程が終わった後、カルガリーに設けられたプレスセンターで記者会見を行い、「韓国の首脳外交は完全に復活した」とし、「G7プラス」の枠組みの中で韓国の立ち位置を明確に示す成果があったと評価した。また李在明政権は今後、首脳外交をより高い段階に強化すると同時に国益中心の実用外交を積極的に実践していくと説明した。

 ◇多忙な実用外交の初舞台 9カ国・地域と首脳会談

 「国益中心の実用外交」を掲げる李大統領の初の首脳外交は多忙を極めた。カナダに滞在した2日間で計9カ国・地域の首脳と会談し、経済など多様な分野の協力強化策について話し合い、国連のグテレス事務総長とも会談した。

 初日にはカルガリーで南アフリカとオーストラリアの首脳と相次いで会談した。南アフリカのラマポーザ大統領との首脳会談では貿易や投資、エネルギー分野での協力拡大が必要との認識で一致した。この会談は李大統領が就任してから対面で行われた初の首脳会談となった。

 オーストラリアのアルバニージー首相との会談では朝鮮半島の平和と北朝鮮核問題の解決に向けた実質的な進展のため意思疎通を強化することを確認した。

 2日目は、G7の会場となったカナナスキスで7カ国・地域と首脳会談を行った。

 ブラジルのルラ大統領との会談では両国の協力策について意見交換し、ブラジルが議長国を務める今年11月の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に招かれた。

 メキシコのシェインバウム大統領との会談では、10月末から韓国南東部・慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席を要請した。

 インドのモディ首相との会談では重要技術、国防、防衛などの分野で戦略的協力を強化することを確認した。

 英国のスターマー首相との会談では北朝鮮核問題の解決に向け緊密に協力することを確認した。

 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長とコスタ大統領との会談では、EU本部があるベルギーのブリュッセルでの近日中の首脳会談開催を打診された。

 今回の日程のハイライトとされる日本の石破首相との会談では、韓日協力の深化および首脳が相互往来する「シャトル外交」の再開、韓米日協力の維持・発展を確認した。

 トランプ氏との会談が見送られたことで李大統領のG7出席の意味が薄れるという懸念が出ていたが、国交正常化から60年となる韓日が互いの国益発展のために手を握り、関係改善に乗り出すことを確認した点は成果に挙げられると評価される。

 李大統領は今回のG7サミットの議長国であるカナダのカーニー首相と首脳会談を行い、両国の協力策を模索し、すべての日程を終えた。

 大統領室によると、李大統領はフランスのマクロン大統領をはじめ、首脳会談を行わなかった国の首脳ともあいさつや短い対話を交わしたという。

 国連のグテレス事務総長との略式会談では「9月の国連総会で韓国の民主主義回復について話を聞かせてほしい」と提案された。


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