李次期大統領は4日午前にソウル汝矣島の国会議事堂で就任式を行った後、直ちソウル龍山にある現在の大統領室へ移動し、執務を開始する予定だ。
ただし、龍山での執務は暫定的な措置となる。李氏は選挙期間中、当選した場合にはまず龍山の官邸で執務を行い、青瓦台の改修が完了次第、大統領室を移転すると繰り返し公言していた。
選挙前日に行われたYouTube放送では、当選後の官邸について問われ、「一般的な話をすれば、龍山に行くのが正しい」と回答。その上で、大統領室の移転について「あまりにも多くの費用がかかり、時間がかかり、苦労も大きい」とし、「早く青瓦台を修理し、その期間だけ龍山にいて青瓦台に移る」と述べていた。
李氏は、共に民主党の大統領候補予備選挙の段階でも、「一旦龍山の大統領室を使用し、青瓦台を早急に補修するのが良い」との立場を明らかにしていた。
これは、ユン・ソギョル(尹錫悦)前大統領が「空間が意識を支配する」として青瓦台から大統領室を移転したことで始まった「龍山時代」に終止符が打たれることを示唆している。
共に民主党は、最低3か月以上の時間が必要だと見ている。党関係者は「まだ龍山の大統領室や青瓦台がどのような状況なのか正確には分からない」とし、「青瓦台の補修にそれほど長い時間はかからないだろうが、これからは入って確認しなければならない」と述べている。
移転の鍵となるのは、龍山の大統領室にある地下バンカーの存在だ。青瓦台にはノ・ムヒョン(盧武鉉)政権時代に設置された国家危機管理状況室という地下バンカーがあったが、尹政権下で大統領室が移転したことで、この状況室の機能と役割は現在の龍山国防部地下バンカーへと移された。
軍、警察、海洋警察、消防などの状況情報が24時間リアルタイムで集約されるこの場所は、大統領が国家危機状況に対応し指示を出す上で不可欠であり、大統領執務室と地下バンカーは切り離せない関係にある。
別の党関係者は、「大統領室を青瓦台に移転しようとしても、直ちに国家危機管理センターが機能しにくい状況だ」とし、「地下バンカーの移転だけで約2カ月、運営要員の教育とシステムの安定化にさらに約1カ月かかるため、最低3カ月が必要だ」と述べた。
これが、共に民主党内で、就任後最低3カ月、あるいは100日以内での青瓦台移転ロードマップが議論されている理由だ。
李氏は、長期的には国民的合意と憲法改正を経て、大統領室を世宗市に移転する構想も持っている。
世宗市での遊説中には「憲法を変える国民的合意を経て、大統領室も移転し、均衡の取れた世の中を創らなければならない」と強調していた。
また、10大選挙公約では「世宗行政首都の完成」を掲げ、任期内に国会世宗議事堂と共に大統領世宗執務室の建設を約束していた。
さらに、李氏は当分の間、仁川市桂陽区のマンションにある自宅から通勤する予定だが、通勤時の国民への不便を考慮し、早期にソウル漢南洞の公邸へ入居するものと見られている。
これに関連して党関係者は「(李次期大統領が)当分の間は自宅で過ごすだろう」とし、「一旦、漢南洞公邸を視察し、最低限の補修が終わればすぐに入る予定だ」と述べた。
同様に、前任大統領の弾劾により大統領職引継ぎ委員会なしに直ちに就任したムン・ジェイン(文在寅)元大統領も、2017年5月10日の就任後、公邸には3日後に入居した経緯がある。
共に民主党は、漢南洞公邸のほか、三清洞の首相公邸や近隣のセーフハウスなどを候補に挙げて検討したと伝えられている。
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