今月4日、韓国の海洋警察が黄海で違法操業している中国漁船を拿捕した(韓国当局提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
今月4日、韓国の海洋警察が黄海で違法操業している中国漁船を拿捕した(韓国当局提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国と中国は23日、ソウルで局長級の海洋協力対話を開き、黄海の韓中暫定措置水域に中国が無断設置した構造物について協議した。

 韓国から外交部の姜英信(カン・ヨンシン)東北・中央アジア局長らが、中国からは外務省の洪亮国境海洋事務局長らが出席した。

 韓国政府は中国側が一方的に構造物を設置したことについて問題提起し、自制を促したとみられる。

 中国は「養殖施設」と主張する構造物を2018年と24年に設置した。22年には管理施設と称し、ボーリング設備のような構造物も設置した。

 黄海では韓中の排他的経済水域(EEZ)が重なって境界線が画定しておらず、両国は00年に漁業協定を締結し、暫定措置水域を設けた。協定で域内の構造物の無断設置は禁じられている。

 同構造物を巡り、韓国政府は2月、調査船を同海域に派遣し点検を試みたが中国側が阻止。これを機に、韓国では政界を中心に対応強化を求める声が高まった。

 政府は中国側の措置に対抗するため、養殖施設を含む構造物の設置を検討している。海洋水産部の康徒衡(カン・ドヒョン)長官は今月21日、「政府で共同対応する」とし、どのような施設が適切かを決める必要があると述べた。

 しかし、中国側は構造物に問題はないとの立場を貫いており、今回の協議で成果を出せるかどうかは不透明だ。

 中国外務省の郭嘉昆副報道局長は21日の定例会見で、構造物は協定違反ではないとしながら「韓国側が客観的かつ理性的にアプローチすることを願う」と述べた。

 ただ、中国は米国の関税政策と対中けん制に対抗して周辺国との関係を強化しようとしており、今秋に韓国南東部・慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた習近平国家主席の訪韓が予想されるなか、韓国の批判に耳を貸さずにいるのは難しいとの見方もある。

 韓中外相の合意により19年12月に新設された海洋協力対話は、21年4月の初会合と翌年6月の第2回会合のいずれもテレビ会議方式で開催され、今回が初めて対面による実施となった。


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