「僕はもう子供じゃない」
MBC特別企画『エデンの東』の3部へ印象的なセリフがある。大きな瞳に“悲しい本能”をもった少年が叫ぶ言葉は、劇中ドンチョルが家族のために運命を自ら開拓するという意志が込められている。何より一行のセリフが、尋常ではなく観る者にアプローチするのは、演じる俳優とぴったり重なるからだ。

韓国ドラマ「エデンの東」のネタバレあらすじ、キャスト、視聴率、相関図、感想

今年で20歳。男性の香りが漂い始めるキム・ボムの歩みは、自身が放ったセリフと運命を共にしているようだ。
ソン・スンホンの子役としてドラマでは3話分の出演のみだが、視聴者の目と耳を捉えて離さなかった。キム・ボムは水化をも辞せないアクションシーンと、運命を恨む凄然とした目の演技で、眩いばかりの“演技の成人式”を終えた。
取材陣が彼の元へやって来るには、今日の姿よりも明日、そして未来の姿に期待できるからだ。

-ドラマの反応が良いようだが予想はしていた?
約1年ぶりに出演するドラマだったので期待は大きかったが、その分の心配もありました。撮影をして、その後放送を通して自分の姿が見られる初のドラマだったので、とても緊張しました。もちろん、反応がこれほどあるだなんて予想していませんでした。視聴者が書くサイトの掲示板を見たのですが、お褒めの言葉がたくさんありました。

-とても“荒い”キャラクターだが難しかった点は?
1960年代の炭鉱村を背景に描かれたドラマなので、日常的なものを求めるのに苦労しました。父が亡くなり、放火を犯した兄弟の身代わりで少年院へ送られるという話も、現実的に僕の周辺で探そうと思っても探せないシチュエーションですし…。そういう理由もあって、ドンチョルに共感しようと思ってもできないんですよ。役柄の気持ちになりきれないのは、とても大きな問題でした。

-アクションシーンも難しかったようだが
そうですね。みんな代役を立てたのではないかと言いますが、そう思われるのはちょっと悔しいですね(笑)少年院から脱走しようと飛び降りるシーンや、火が燃え盛る家に飛び込むシーンは全て僕が直接演じました。絶対にこれは書いてくださいね!(笑)代役を使うことは好きではないし監督もそう思っていたようで、代役を使わずにテイクを少し長めに取ってくださいました。

-最も危険だった瞬間は?
もちろんあまりにも危険なシーンだけは、どうしようもなく代役を立てましたが、大部分は僕が演じました。5話に出てくる階段での格闘シーンで、撮影中に失神して病院に運ばれました。空中に約50cm浮かんでから落下してしまったんです。

-学生時代はサッカーをしていたようだが?
中学校までサッカーをしていて主将も務めたのですが、悩んだ末に趣味として続けることにしました。考えてみると、僕がこれまでしてきたか行動の中で最も思い切ったことは、サッカーをしていたことかもしれません。逸脱とでもいいましょうか(笑)勉強することを望んでいた両親に心配をかけました。今はサークルに入って、サッカーを続けていますよ。

-両親は保守的?
かなり保守的です。サッカーを始めたときは、運動をすると勉強が疎かになるという偏見を振り払いたくて、良い成績を収めていました。クラスで1、2番で、全校でも10番以内に必ず入っていました。

-文武両道で女の子からの人気も高かったのでは?
今もそうですが、女性に良くしてあげられる方ではないです。中学校の時は運動に明け暮れて、サッカーシューズを探しに行ってばかりでした。そうしていると、彼女ができたとしても長くは続かないです。今回ドラマに出演して(当時の彼女から)連絡がきたので会ってみたのですが、今は彼氏がいると言っていました(笑)

-俳優になって後悔したことは?
仕事を始めた当時は、不器用な判断ではなかったのかと悩みました。高校1年のときに先生から「おまえには才能がない。手遅れにならない内に辞めた方がいい」と言われたのが本当にショックでした。僕は運動をしていたからなのか、勝負欲が強くて何かを始めようと思ったら、最後までやらないと気がすまない性格です。でも先生は、その時僕に言った言葉を覚えていないみたいなんです(笑)それでも、あの時の先生の言葉は僕に刺激を与え続けています。

-ミニホームページに印象的な文章があるが
「人々の泣きたい、笑いたいという欲求を叶えるために、俳優は自身の“自由欲”を捨てることもある」という内容で、釜山(プサン)で撮影をしていたとき、国文科のレポートとして提出したものです。“人間の欲求”をテーマに、俳優の社会的な意味について書いてみたかったんです。A4に3枚で良かったのに、書いてみたら10枚になってしまいました。教授へ提出するのが遅れてしまって、ひどく怒られたのですが内容が良かったと後から誉めていただきました。

-もし芸能人になっていなかったら、今頃は何をしていた?
たぶん勉強を続けていたと思います。留学して経営関連の仕事をしていたのではないでしょうか。

-お手本にしている俳優は?
チョ・インソン先輩です。幼い頃にデビューして、作品ごとに違った姿を見せているところが好きです。毎年、年賀状を書いて送っているのですが、インソン先輩のようになりたい、という思いから書いています。

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