世界貿易機関(WTO)香港閣僚会議に出席している崔革(チェ・ヒョク)ジュネーブ駐在韓国代表部大使は14日 、「工業製品など韓国の輸出品目に対する関税が引き下げられ参入の余地ができるならば、(農産物分野で)譲歩する可能性を残すこともできる」と述べた。
 これは、同日午後に予定されている閣僚会議での金鉉宗(キム・ヒョンジョン)外交通商部通商交渉本部長の基調演説に先立ち、その内容を韓国人記者団らに説明する過程で述べたもの。国内の工業製品を海外へ輸出するためには農産物交渉で一定の譲歩も可能という意味に解釈されるため、農業関係者の強い反発が予想される。崔大使は、WTOの本部があるスイス・ジュネーブで新ラウンド交渉の実務を主導している。

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 一方、金本部長は、基調演説前にあらかじめ報道陣に配布した原稿を通じ「韓国は多くの貿易を通じ発展してきたが、農業を含め国内にはいまだに敏感な分野がある。しかし交渉の進展に役立つような柔軟な対応の準備がある」と述べ、貿易交渉に際し、農業分野で譲歩の可能性があることを示唆している。さらに、韓国がすべての交渉分野で均衡した成果を確保することが交渉妥結の鍵との考えを示し、「特に農産物市場アクセス(NAMA)、サービス、反ダンピング規定交渉で目に見える成果が必要」と強調している。

 金本部長の演説内容と崔大使の補足説明に波紋が広がると、崔大使は「交渉に臨む際の一般的な内容で、特定の部分に深い意味があるわけではない」と釈明した。しかし、金本部長は具体的に農業分野に言及しているうえ、崔大使も工業製品の輸出のために農産物で譲歩できると説明したため、騒動の拡大は避けられない見通しだ。


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