韓国全国の医科大学の教授らが辞表を提出する予定日の25日を控え、医療界と教育界の緊張が高まっている。ただし、医療の現場を離れた専攻医に対する免許停止などの処分方針を堅持していた韓国政府が前日までの行政処分を先送りにして、医師団体との対話を持つと方針転換し、医療界と政府との摩擦が新しい局面を迎えることができるか注目されている。

医療界・教育界によると25日、この日から韓国全国の医学部の教授らが集団辞職を始めるものとみられる。辞職は各大学ごとに教授らが自主的に辞職届を提出する形で行われるものとみられている。

医学部の教授らが辞職届の提出日として定めたこの日は、免許停止の行政処分の事前通知書を受け取った専攻医たちが業務開始命令違反の理由を盛り込んだ意見書を提出できる最終日とされている。

当面は26日から専攻医35人に対する行政処分が可能になるものとみられている。保健福祉部によると、25日に意見提出期限が満了する専攻医は35人だ。手続き上は事前通知後、意見提出期間が経過すれば行政処分が可能だが、これまでに意見提出期間中に実際に意見を提出した事例はなかった。25日を基点に意見提出期間が過ぎ、実際に行政処分が可能な専攻医の数は増加するものとみられる。21日時点で保健福祉部が100か所の病院を対象に調査を行った結果、専攻医1万2899人の92.8%を占める1万1976人が契約を放棄したり、勤務地を離脱した。このうち7088人には行政処分事前通知書が発送された。

辞職届を提出した後も、医学部の教授らは大学病院の診療を一定水準維持する。全国医科大学教授協議会側は、辞職が始まる25日から週52時間を上限として外来診療・手術・入院診療を維持すると発表した。専攻医らの病院離脱により大学病院で必須医療を担当している教授らは、専攻医らが行っていた当直勤務を代行しながら、普段の倍以上に及ぶ時間勤務していることが分かった。4月1日からは外来診療を最小化する。医療界ではこの措置を救急・重症患者を安定して診療するためと説明している。

韓国政府も医療の空白を防ぐため、25日から4週間、公報医と軍医をそれぞれ100人ずつ追加投入する。派遣される人員は公衆保健医293人、軍医120人など合計413人に増えた。

医療界と政府との摩擦が新しい局面に突入する可能性もある。未復帰の専攻医に対する免許停止処分を26日から原則通り進めるとの立場を表明してきた政府が方針を変えたためだ。これは24日午後にハン・ドンフン(韓東勳)国民の力非常対策委員長が全国医師協会の幹部らと会談を行なうなど仲裁に乗り出したことによるものと分析されている。韓委員長は「政府と医療界間の仲裁要請を受けているため、必要な役割を果たしていく」と述べた。韓委員長は全国医科大学教授協議会との会談直後、医療現場を離れる専攻医に対する免許停止の行政処分を柔軟に処理するよう大統領室に要請したと伝えられた。

これに対し大統領室は「ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領がハン・ドクス(韓悳洙)首相に対し党と協議を行い柔軟な解決策を模索してほしい」と要請したのに続き、「医療関係者と建設的な協議体を作って対話を進めてほしいと伝えた」と明らかにした。韓国政府は医療界との対話のための実務作業に着手している。首相室は早ければ今週中に韓首相と医療界の関係者らが対話する席を設ける方針だ。
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