ソウル大学・黄禹錫(ファン・ウソク)教授とともに胚性幹細胞(ES細胞)の研究を行ってきたミズメディ病院の盧聖一(ノ・ソンイル)理事長が21日、研究用の卵子を提供した女性に報償金を支払ったことを認めた。同病院で開かれた会見で明らかにした。
 盧理事長は会見で「2002年の後半に黄教授の依頼を受けて研究を始めようとしたが、成熟した新鮮な卵子の提供を受けるのが難しかった」とし、研究に必要な卵子を手に入れるためにある程度の報償金を前提にするしか方法がなかったと述べた。

 「報償金を払ったことを黄教授は知っていたか」との問いに対しては「難病治療の突破口を開くため、黄教授には相談せずに自分がすべての責任を負う覚悟で決めた。黄教授は今日のこの発表を通じて知ることになるだろう」と説明し、自身の判断であったことを強調した。

 報償金は、16人の卵子提供者に対し1人当たり150万ウォン程度を支払ったといい、その費用は研究費ではなく個人的な資金を使ったという。また精子の提供者には10万ウォンの謝礼を渡していたことも明きらかにした。これは1月1日に卵子の売買を禁ずる「生命倫理及び安全に関する法律」が施行される以前のことで法的には問題はないが、今後、倫理的な問題から議論を呼びそうだ。

 盧理事長は「提供者の交通費や日常生活に与える支障への補償の意味から代価の支払いは当然と考えた」と説明した上で、米国ではこのような金銭的な代価が3000~5000ドル、台湾では300万ウォン程度が合法的に支払われていると指摘した。

 盧理事長はサイエンス誌に掲載された論文の中で、卵子の提供者に対する金銭的な報償はなかったとしていた。











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