岸田文雄首相はことしの6~8月に「訪韓」することが予想されている(画像提供:wowkorea)
岸田文雄首相はことしの6~8月に「訪韓」することが予想されている(画像提供:wowkorea)
今回の日韓首脳会談の最大懸案であった元徴用工賠償判決解決案に対し、日本側の呼応措置が足りない理由として「来月に実施される日本の地方選挙および補欠選挙を控え、政治的負担を最小化させるためだ」という見方が出ている。

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4月のユン・ソギョル(尹錫悦)韓国大統領による訪米や5月の広島G7サミット開催など、立て続けに首脳外交が行なわれることから、岸田文雄首相は訪韓する際、具体的な措置をもって行かなければならない外交的課題を抱くことになった。

20日、韓国外交界では、今回の首脳会談で岸田首相が元徴用工賠償解決案に対する日本の謝罪を直接言及しなかった理由として「4月の選挙」が取りざたされている。日本は来月、地方自治体長と地方議会議員を選出する「統一地方選挙」を控えている。

韓国ソウル大学のパク・チョルヒ教授は、韓国の新聞社“ヘラルド経済”とのインタビューで「岸田首相にとって今回の補欠選挙は非常に重要な選挙であるため、政治的打撃を最小化するため故意にその部分(呼応措置)を避けたようだ」と分析した。キム・テヒョ(金泰孝)国家安保室第1次長も、去る18日のメディアとのインタビューで「自民党内でもより強いスタンスがあり、また岸田首相のように柔軟なスタンスもあるが、結局4月の地方選挙を控えている状況だ」と語った。

韓国大統領室は、日本の国内政治の状況が肯定的な流れに変われば、積極的な呼応措置が出てくるものと期待している。今回の元徴用工解決案と12年ぶりの日韓シャトル外交再開が『大乗的決断』と評価される中、尹大統領はことし4月末に米韓同盟70周年を迎え、米国を国賓訪問する。韓国政府が去る6日に元徴用工解決案を発表した後、すぐさま歓迎の立場を明らかにしたジョー・バイデン米大統領との米韓首脳会談で、日韓関係改善に関する言及があれば、日本の立場にとしては負担にならざるを得ない。

さらに、岸田首相が尹大統領をG7サミットに招請すれば、日米韓首脳会談が開かれる可能性は十分だ。そうなれば、日韓関係の回復とともに日米韓3角協力を対内外に宣言する象徴性があることから「3か国が自由や人権など普遍的価値を共有する国家という点で、日本による過去の植民支配に対する反省と元徴用工への謝罪が伴わなければならない」という圧力は一層高まることになる。

また「ことしの6~8月に予想される岸田首相の訪韓で具体的な謝罪への言及があってこそ、韓国内の否定的な世論においても元徴用工解決案を強行した尹政府の当為性が確保されるだろう」ということだ。韓国大統領室は「ボールは日本側にある」という点を強調している。大統領室の報道官は19日の会見で「現時点までにおいて(国際社会の)尹大統領への関心は高いが、日本の後続措置を通して岸田首相も注目されることを期待する」と語った。

ただ、岸田首相の訪韓までは「変数」が多いだろう。4月の選挙における岸田内閣への国民の評価が、まず最初の越えるべき山である。また6月に福島原子力発電所処理水の海洋放出が断行されれば、両国関係はふたたび試されることになる。一部では「岸田内閣の支持率が反騰されなければ、G7サミット後に衆議院を解散し総選挙が実施される可能性もある」という見方も出ている。そうなれば岸田首相の訪韓自体が難しくなる可能性もある。

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