韓国の憲法裁判所は1日「国籍法第12条第3項に関する違憲訴訟で、裁判官8人の全員一致により合憲が決定された」と明らかにした。この条項は、直系尊属が外国で永住する目的なしに滞在した状態で出生した場合、兵役義務を果たしてこそ国籍離脱を申請することができるよう規定したものである。
また、第14条第1項の違憲訴訟でも裁判官8人の全員一致により合憲が決定された。これは、全ての複数国籍者に対し外国に住所がある場合にだけ国籍離脱を申請することができるようにした規定である。
憲法裁判所は「永住目的のない直系尊属の国外出生者に対しても兵役義務を履行しないまま国籍離脱を許容すれば、その人が引き続き家族と共に国内で生活しながら、国籍離脱を通じて兵役義務を回避する行動を示しても、これを防止する方法を見出すのは難しい」と判断した。
また「国籍法の条項は、複数国籍者が国籍離脱を偏法的な兵役忌避の手段として利用する機会主義的な行動を防止しようとするもので、単語の辞典的意味や立法の主旨を踏まえると、法執行機関の恣意的執行を招くほど不明確ではない」と伝えた。
憲法裁判所は「大韓民国が国家共同体として存立するため、公平な兵役分担に対する国民的信頼を保護し、国防力が損なわれないようにしようとするものであることから、非常に重要な国益だ」と説明した。
外国に住所地がある場合にだけ国籍離脱が可能な規定については「外国に生活の根拠が全くないにもかかわらず、納税・国防など憲法的義務を免れるため国籍を離脱する行為は、国家共同体の基本原理を損なうおそれがある」と指摘した。
訴えを起こしたA氏は2001年に米国で出生し、韓国人の母と米国人の父との間に生まれた先天的な米韓複数国籍者である。A氏は2019年に国籍離脱を申請したが「韓国でほとんど成長し外国にいる親戚の住所に登録されているだけにすぎないため『外国に住所がある場合』とみることはできない」として差し戻された。その後A氏は差戻し処分の取り消しを訴えたが敗訴し、2020年に憲法裁判所に訴えを起こした。
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