韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が、北朝鮮による領土再侵入挑発時に検討を指示した「9・19南北軍事合意の効力停止」について、専門家たちの間では「今後、朝鮮半島の緊張を高めた責任の所在を明確にする『韓国版レッドライン』だ」という分析が出ている。

韓国大統領室の関係者は6日午後、ソウルの大統領室で記者たちに「大統領の指示事項は『北朝鮮が再び軍事境界線を越え挑発をするなら、それに応じた対応を超え圧倒的対応をせよ』とし『9・19軍事合意について効力停止を検討せよ』というものだ」と語った。つづけて「現在われわれが検討しているのは、その段階だ」と付け加えた。

尹大統領は去る4日午前の非公開会議で、北朝鮮の無人機挑発について「北朝鮮が再びこのようにわれわれの領土に侵入する挑発を起こすなら、9・19軍事合意を検討せよ」と国家安保室に指示した。

大統領室の関係者はこのことについて「9・19合意違反に関しては、単に無人機だけでなく北朝鮮のミサイル挑発を含め事実上合意違反が日常化しているそのような非正常的な日々が続いている」とし「9・19軍事合意の効力停止は、わが国民の生命と安全を守るため、行政トップであり軍の統帥権者としてのそのような決断によるものだ」と説明した。

尹大統領が9・19合意の効力停止を言及したことについて、専門家たちは「韓国版レッドラインを引いたものだ」と診断した。

イファ(梨花)女子大学のパク・ウォンゴン(朴元坤)北朝鮮学科教授は「革新・保守にかかわらず、北朝鮮が昨年15回もこのように(9・19軍事合意を)無用化したことに対し、韓国政府が対応しないわけにはいかない」とし「『レッドラインということの核心を越えた時には、このような不利益をこうむる』『このような費用が発生する』ということを示すことで、行動を抑止するものだ」と語った。

つづけて「『再び領土に侵入すれば、9・19軍事合意の効力を停止する』と語ったのは、その前にはっきりと前提があり、それは北朝鮮の行動を抑止しようとするものだ」と説明した。

また「韓国の立場としては『明確に警告し9・19軍事合意に対して条件を示したのに、北朝鮮がそれを無視し挑発をするなら、その後に発生する朝鮮半島の緊張の責任は北朝鮮にある』という、責任の所在を明らかにできるそのような面がある」と語った。

韓国国家戦略研究院のムン・ソンムク(文聖黙)統一戦略センター長は「基本的に9・19軍事合意は、衝突を防止したり敵対行為を中止したり信頼を築くなど、意味のある条項が盛り込まれている」とし「そのような意味のある条項は、守られる時に意味があるのであり、守られなければ何の意味もない」と語った。

また「当初(韓国で)9・19軍事合意に対する批判があったのは、北朝鮮にとって有利だからだった」とし「最前線地域において、われわれが圧倒的に有利な偵察活動が(9・19軍事合意により)縛られることになったためだ」とし「2番目には、われわれが西海(黄海)5島において、(9・19軍事合意により)砲射撃訓練ができなくなったことだ」と説明した。つづけて「そのような(われわれの行動を縛っていた)9・19軍事合意の効力を停止すれば、そのような行動が再び可能になる。これは北朝鮮にとっては不利なことであり、われわれにとっては有利なことだ」と付け加えた。

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