午前11時30分ごろになると、番号札の回収を担当するボランティアによる案内が始まった。毎日250枚配られる番号札は午前7時と午前10時30分に受け取ることができる。この番号札をもらうと、約12坪ほどの給食所に入って食事ができる。ボランティアのAさんは「午前4時半から給食所の前で待つ高齢者が約60人に達する」と話し、「お互いの不必要な摩擦を減らすために番号札システムを採用している」と語った。
この日のメニューは野菜ビビンバと牛肉と大根のスープ。高齢者たちが給食所に入ると、案内担当のボランティア2人が読書室の仕切りのように区分けされた22席に人を案内し、配膳を担当するボランティア5人が大きな器に白いご飯と各種の野菜を盛り付けた。70代の男性キムさんは「キョンギド(京畿道)ソンナム(城南)市から、午前6時半に家を出てここに来た」と語り、「寒い日にも食事をくれるのでとてもありがたい」と話した。ここで16年にわたりボランティアをしてきたというBさんは「給食サービスが始まった当時からここに来て手伝っている。今は週に2回ほど来ている」と話し、「お年寄りが召し上がるのを見ると気分が良く、むしろ私の方が癒されている心情」と語った。
人々が食事を終えると、配膳担当のボランティアが空いた器を回収して皿洗いを担当するスタッフに渡した。 給食所を出る人たちはチョコパイ1個、黒豆豆乳1パック、ようかん1個、餅1パックが入った黒いビニール袋をボランティアから受け取り、タプコル公園へと歩いて行った。ソウル市モクトン(木洞)から来たという80代のナムさんは「毎日タプコル公園に来て昼食を食べている」と話し、「不景気なのにこのように食べ物を配ってくれていつも感謝している」と語った。ボランティアのCさんは「真心を尽くして高齢者の方々にサービスしている」と語り、「経済難の中、支援してくださる方々に感謝している」と話した。
今年で30年目のこの給食所も、経済状況の悪化により懐事情が厳しいのは同様だ。運営はもっぱら民間の支援に頼っているため、急激に上昇した物価が大きな負担になっている。
給食所のカン・ソユン総務は「1万2000ウォン(約1250円)だったサンチュ1箱が、昨年物価が急上昇した時は12万ウォン(約1万2500円)まで跳ね上がった」と語り、「今日は野菜ビビンバを作ったが、サンチュだけでもまだ1箱あたり6万ウォン(約6300円)ほどするので、使うのが怖い」と話した。続けて「さまざまな団体から野菜や餅などの支援物資を送っていただいたおかげで危機を乗り越えることができた」と話した。
新型コロナ禍以降はボランティアが減り、人手が足りない状況が続いている。カン総務は「30年間にわたって運営してきたため、各種のボランティア団体との繋がりもでき、月に1回から2回の割合で出張支援をしてくれている」と話した。それと共に「人手が足りない時が多いが、このように不景気の状況の中でも多くの方々が助けてくださり、感謝の気持ちをどのように表現すれば良いのか分からない」と付け加えた。
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