韓国旅行業界、中国のコロナ防疫緩和で受け入れ対策に動く(画像提供:wowkorea)
韓国旅行業界、中国のコロナ防疫緩和で受け入れ対策に動く(画像提供:wowkorea)
中国当局が新型コロナウイルス感染症の防疫措置を大幅に解除したことで、中国内の韓国行き航空便の予約と検索量が急増している。しかし、韓中両国間の旅行正常化に対する期待は高まっているものの、中国ではまだ防疫措置の細部内容は発表されていない。そのため、実質的な旅行需要の回復には時間がかかるものとみられる。

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 28日、韓国の旅行業界によると、「ハナツアー」など主要旅行会社は中国観光客の回復に備え、新たな商品開発を進めている。同社は、インバウンド(外国人の国内旅行)専門旅行会社であるハナツアーITCを中心に、中国観光客の増加に備えているという。

 同社関係者は「中国旅行客を迎える準備はすでに整っている。現在は航空便の回復や、中国の細部政策発表などを注視している状況」と伝えた。

 「モードツアー(Modetour)」もインバウンド専門旅行会社のモードツアーツアー・インターナショナルを中心に、国内観光商品などを点検する方針だ。

 海外メディアの報道によると、中国当局の規制緩和発表後、中国内で韓国観光に関連した検索量が急増しているという。旅行サイトの「去哪児」(チューナー)では、政策発表後に国際線航空便の検索が8.5倍、査証の検索が10倍増えた。最も注目された海外観光地としては、日本・韓国・タイなどが挙げられた。

 「トリップドットコム」グループは、トリップドットコム「シートリップ(Ctrip)」のデータを分析。政策発表直後の27日午前0時から午前11時まで、韓国行き航空便の予約が26日より400%増加したと発表した。

 中国旅行会社の「シートリップ」だけを見れば、27日午前0時から午後1時までの韓国行き航空便の検索量が26日に比べて158%増加。最も多く検索した韓国行きの航空便は、ソウル・チェジュ(済州)・プサン(釜山)の順で177%、165%、46%増えている。

 韓国内では、中国旅行の需要に備えるための動きも見られる。モードツアーは北京支社を通じて現地の雰囲気を綿密にモニタリングする一方、現地のインフラと旅行商品の再整備に力を入れている。

 同社の関係者は「中国内の新型コロナウイルス感染症の感染者が依然として多い点などを考えれば、直ちに旅行が可能な状況ではない。5月前には観光が可能だと見て準備している」と説明した。

 ある行商人も「現地のパートナー会社らとよく連絡している。商品構成など、諸般の事項を整えているる」と述べた。

 中国人の行商による売上比重が大きい免税業界でも、期待感を示している。免税業界の関係者は「中国国境封鎖の緩和は、コロナ禍という長いトンネルを通過する希望の扉のような知らせだ。封鎖の緩和で免税大手に行商人の往来が増えれば、コロナ禍以降に大きく上がった手数料も正常化するだろう」と説明した。

 ただ、「為替レートの上昇、防疫政策の変化などの影響で、正常化までは時間がかかる可能性もある。状況を見守らなければならない」と付け加えた。

 韓国観光公社は、中国人観光客の回復に重点を置いて、支援事業を展開する方針だ。観光公社のイ・ヒョンジン中国チーム長は、「航空便だけでなくフェリーなど、大型運送手段もやはり回復していない状況だ。中国内部の政策不信なども考えると、韓国に訪れる中国人は少しずつ回復するだろう」と述べた。

 続けて「来年の第1四半期、あるいは中国内で他の兆候がある前までは、ネットワークの再建など基盤造成事業に集中する予定」と付け加えた。

 韓国の旅行業界は防疫制限が完全に解除されている。そのため韓中間の航空便が正常化し、中国人観光客が大挙集まる場合、防疫ガイドラインをどのように定めるか検討中だという。
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