韓国政府の今回の発表により、室内マスクの解除時期を予断するのは難しい。それほど状況はよくない。最近、一日の感染者数が7万~8万人台を記録していることに加え、感染症再生産指数も1を超えるなど増加の勢いが続いている。このような状況であれば、近いうちに一日10万人を超える可能性も高い。重要患者も500人を超え、一日の死者数も50~60人発生している。しかも、冬季ワクチン接種率は期待以下だ。このようなことから、当分の間は「解除」を期待するのは困難だ。「2週間以上連続して減少する」という安定化の条件を満たそうとすれば、少なくとも来年1月の旧正月(1月22日)の峠を越えた後に期待できるかどうかだ。
厳密にみると、「ウィズコロナ」の分水嶺はことし4月の防疫措置解除だった。当時も「再流行の危険性」に対する指摘は少なくなかった。実際、解除したことにより行楽旅行や消費に火がつき、一日の新規感染者が11万人まで増加した。「傷だけが残った100日間の幸福」という評価まで出た。そのような至難の過程を経た後、9月末になってやっと「室外マスクの解除」が可能となった。当時も「再流行の安定維持」が最も重要な指標であった。
「室内マスク」は、新型コロナのトンネルの最後の関門だ。「こどもの情緒発達に否定的な影響が高い」という主張も、これ以上無視することはできない。すでに「食堂を出入りする時だけマスクをつける」という悲しい現実も、また事実である。解除の当為性は十分だ。そうだとしても、急いではならないということだ。カギは「不満と不安をすべて取り除かなければならない」という点だ。
しかも、室内でマスクを解除したとしても新型コロナが終わるわけではない。なぜ「ウィズコロナ」と呼ぶのだろうか。本当の意味での「ウィズコロナ」は、室内マスクを解除してから始まるのだ。そのため解除の基準や時期よりも、重要なのは「自律」だ。今後、義務が解除されるとしても、それが自分のためであっても他人を配慮するためであっても「自らの判断で」マスク着用について決定できなければならない。自分とは違う他人をにらむ理由もない。それが成熟した市民意識だ。「自律」により転換される時どれほど防疫がよくなるかは、韓国社会と韓国民の水準にかかっている。
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