忠清南道泰安郡沖で起きた原油流出事故にともなう漁民への被害補償について、政府が14日までに具体案をまとめた。
 法務部がまとめた支援策によると、海洋汚染事故の賠償責任は油類汚染損害賠償保障法に基づき、事故を起こしたタンカーの船主が1次的に負担する。タンカーの船主は10億ドルと900万ドル相当の保険にそれぞれ加入しており、保険会社を通じて防除費用と漁民への被害補償金などを全額賠償することになる。ただ、船主側も責任の制限があることから、最高責任限度額である1300億ウォン(約157億円)の範囲内で支払い、これを超える分については最大3000億ウォンの範囲で国際油濁補償基金が負担することもある。 

 政府は1995年に麗水沖で発生したシープリンス号原油流出事故当時の賠償総額である960億ウォンよりも今回の被害額のほうが大きいが、船主が加入している保険だけで賠償は可能だとみている。被害漁民らは船主だけでなく、タンカーに衝突したバージ船やタグボートなどの関係者にも別途に損害賠償を求めることができる。

 法務部によると、補償を受けるためには、具体的な証拠のある被害調査が必要で、漁民らは泰安水協に被害内容を提出し、水協側は損害査定機関を選定して漁民らとともに合同調査を行う。この際には解像度の高いビデオやカメラで被害現場を撮影するほか、汚染された水産物や流出した原油などを証拠として保管する必要がある。また生業を失った漁民らは過去3年間の所得証明資料を準備し、未申告漁民も自分の被害を積極的に立証する証拠を確保しなくてはならない。

 調査が終わると、船主側の保険会社と国際基金による調査結果を基に被害漁民に賠償金額を提示し、交渉を開始する。交渉が妥結すればすべての賠償手続きが終わるが、交渉が合意に達しない場合には裁判所に訴訟を起こす段階に進むことになる。シープリンス号事故では被害漁民10人が総額5億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こし、勝訴した前例がある。


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