<韓国旅行>水の音を聞きながら自然を満喫する60キロに渡る楊平のウォーキングコース(画像提供:wowkorea)
<韓国旅行>水の音を聞きながら自然を満喫する60キロに渡る楊平のウォーキングコース(画像提供:wowkorea)
ハンガン(漢江)は朝鮮時代から続く長い歴史の首都である韓国ソウルを東から西に横切る川だ。流域面積は韓国で断然一番広く、長さはナクトンガン(洛東江)に続いて2番目となる。この漢江に沿って多くの税金や物資はもちろん、人と文化が動いた。漢江に沿って歴史が流れてきたと言っても過言ではないほどだ。

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 漢江に沿って続く歴史と文化を感じられる散歩道がある。キョンギド(京畿道)ヤンピョン(楊平)の「水の音道」だ。南漢江と北漢江の澄んだ水の音と自然の音を共に感じながら歩くことができる。2014年、チェジュ(済州)のオルレ道に続いて全国で2番目に作られた散歩道で、一年中、多くの旅行客が訪れるが、それには理由がある。コースごとに鉄道の駅と駅が続いていて、簡単に行き来できるからだ。道で出会う多くの話や美しい南漢江の風景はこの道を歩く人だけに与えられる特権だ。

 ●水の音と自然の音を聞きながら歩く

 水の音道は漢江に沿って広がる楊平の代表的な散策路であり歩道だ。ヤンス(両水)駅からヨンムン(龍門)駅まで60キロに渡って、「文化遺跡道(コース1)」、「トンネルのある鉄道の道(コース2)」、「川辺の話道(コース3)」、「柳の渡し場道(コース4)」、「黒川道(コース5)」、「龍門山のイチョウの木道(コース6)」の計6コース。それほど長くない上に歩いている間、飽きることがない。テベク(太白)山コムリョン(剣龍)沼から始まる南漢江と細流がコースごとに続き、涼しい風と澄んだ渓谷、静かな田舎の風景が絵画のように広がる。「夢陽ヨ・ウンヒョン記念館」、「楊平五日市」、「龍門寺」、「サンウォン(上院)寺の銅鐘」といった文化財と体験村にも出会える。

 水の音道の始まりは両水駅。ここでコース1の文化遺跡道が始まる。文化遺跡道(両水駅~新院駅)は、ハングルの創製や王室の仏教崇敬に反対して投獄されたが後に死六臣の陰謀を告発した「チョン・チャンソンの墓」、文禄の役の際に日本からの玄蘇と合意交渉に失敗したが請援使として明に行き援軍の要請に成功させた「イ・ドクヒョンの神道碑」、大韓民国臨時政府組織に参加した朝鮮中央日報社初代社長「ヨ・ウンヒョンの生家」を経て、楊平の歴史と自然が共に息づく道だ。

 コース1の終点である新院駅では、コース2であるトンネルのある鉄道の道〈シヌォン(新院)駅~アシン(我新)駅〉につながる。南漢江横の公園を渡り、サイクリングロードと連結する昔の鉄道トンネルを過ぎていく。歩きながら汽車を想像し、ギャラリーで芸術を経験することができる。

 楊平駅からはコース3の川辺の話道(我新駅~楊平駅)。村を歩くと静かな時間が流れ、木が生い茂る道に飽きたころには再びどこか懐かしいような村の道が現れる。我新駅に始まり、我新村会館と水の音道認証台を過ぎ、川に沿って楊平駅まで続く道で、南漢江の風景を見ながら、のんびりと歩くことができる。南漢江の風景を見ながら、しばらく何も考えずに歩くと、カトリックの聖地と霧が幽玄なヤンガン島とトドゥロン島に出会う。

 楊平駅からはコース4となる柳の渡し場道〈楊平駅~ウォンドク(元徳)駅〉で、楊平駅を出発して楊平カルサン体育公園の前の柳の木の森を過ぎて都心から自然への旅が再び始まる道だ。

 黒川道(元徳駅~龍門駅)は黒い水の黒川道とチュウプ山の威厳を感じられる。黒川はコムネ村にあるが、この川底の石が黒で、水が黒く見えることからそう呼ばれている。元徳駅から始まり、川に沿って龍門駅まで続く道を歩いていくと穏やかさを感じることができる。

 漢江は、北漢江と南漢江に分かれる。これらは楊平とナムヤンジュ(南楊州)がぶつかるところで出会う。そこを2つの水が出会うところとしてトゥムルモリ(2つの水の頭)と呼び、漢字では「両水里」と書く。

 2つの流れは多くの財貨や話を積んできてここに集まる。そして漢江に沿ってソウルのトゥクソムやマポナルに入っていく。トゥムルモリ渡し場が物流の中心になった理由だ。しかし1973年にパルダンダムの観光で陸路ができ、トゥムルモリはその光を失った。

 それでもトゥムルモリの話は、川の水に沿って流れている。朝早く、パルダン湖で広がる霧や過去の栄華をとどめた渡し場、川辺のしだれ柳が調和を成した絵画のような風景は、私たちの憩いの場となってそばにいてくれる。

 楊平の歴史と文化を抱くヤンガン島もこの地域を回る時に欠かせないところだ。ヤンガンは、南漢江のイポ橋から南楊州のパルダンダムまでの区間を言う。過去にハニャン(漢陽)と楊平を行き来しながら必ずここで出会う島で、船路を急いだ船頭たちの道しるべだった。

 ヤンガン島のすぐ横にはトドゥロン島がある。トドゥロン島は、流されてきた島という意味で、朝鮮時代の地理書である「新増東国興地勝覧」にはチュンチョンプクト(忠清北道)チュンジュ(忠州)から流れてきたとして「忠州山」とも呼んでいたという記録がある。

 この島には有名な言い伝えがある。朝鮮時代中期の武臣でインジョバンジョン(仁祖反正:朝鮮王朝のクーデター事件)の主人公イ・グァル(1587~1624)が、親不孝者だった。グァルの父親は「私が死んだらトドゥロン山の岩の下に反対に埋めず、そのまま埋めてほしい」という遺言を残した。グァルの父親は息子が反対にするだろうと思い、そうすれば死んだ後に龍になって昇天できると思っていたのだった。しかしグァルは、父親が亡くなるとこれまでの親不孝を反省して遺言通りにした。結局父親の計画はくるってしまい、グァルのせいで失敗したという伝説だ。

 ヤンガン島近くのヤングン聖地と巡礼道はカトリック教の信者が多く訪れる一種の聖地だ。「永遠へのはしご」という楊平カトリック教の殉教者を記念する造形物も有名。この記念物は以前、ヤングン大橋と楊平駅後門前に設置された。

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