イ・ジェヨン の最新ニュースまとめ
今回イ新会長がサムスン電子の理事会開催日を「会長昇進日」に選んだのは、意味深いことである。
この日サムスン電子は、営業利益が31.39%も減少した第3四半期の実績を理事会で確定した後に「会長昇進」を発表した。不況と危機の兆しが実績として現れた日に、会長に就任したのである。イ・ゴンヒ前会長が心筋梗塞で倒れたのが2014年で、実質的なサムスンのトップの役割はすでに6年を経過している。
結局、イ新会長の昇進は「形式」よりも「主旨」に重きが置かれている。特別な就任行事も用意されていない。「波が高い時、船長として乗船する」ということだ。これはすなわち「責任経営」を意味する。就任後の最初の行動として、サムスン電子のクァンジュ(光州)事業場に赴いたことも、責任ある現場経営の一環である。
好調であった日本企業は、1980年代にその名声を失っていった。それに比べ韓国企業は上昇気流に乗り続けている。大企業においてはより顕著である。多くの人がその理由を「オーナー責任経営の差」から見出している。オーナーの影響力がほとんどなかったり経営陣の1人にすぎない日本の場合、意思決定が遅く責任の所在も不透明だ。変化の激しい技術競争の時代を走りぬくことは難しい。
一方、韓国の大企業は「オーナーの決意」が多くのことを決定する。そのかわり、限りなくその責任を負うことになる。倒産の危機に追い込まれれば、オーナーの財産を投入するのが韓国である。
たとえ形式にすぎないとしても「ニューサムスン」を築いていく新たな時代の出発点として、イ新会長の就任はその意味が小さくない。韓国経済においてサムスンが占める地位を踏まえれば、一層そうだといえる。職責が変われば、多くの事が変わることも事実だ。しかし、ここで重要なのは「登記理事」に再任されることだ。イ新会長は現在、パク・クネ(朴槿恵)政権当時における国政壟断関連事件により、未登記経営の状態である。登記理事は責任経営の象徴である。一日も早く再任を推進してこそ、名実ともに「責任経営」が整うことになる。
イ新会長が解決すべき課題は山積みである。半導体の超格差技術を維持すると同時に、新たな未来の雇用も見出さなければならない。先代のイ・ビョンチョル(李秉チョル)初代会長の時代が「創業」であったなら、イ・ゴンヒ会長は「飛躍」の時代であった。父親が病床に伏す中、イ新会長が「副会長」としてサムスンを率いてきた時代はすでに終わった。次世代の世襲経営は放棄したことから、イ新会長の時代は「最後のオーナー経営」である。何を持ってどのようにこれからを築いていくのかが注目される。
Copyright(C) herald wowkorea.jp 96