韓首相は1998年、外交通商省の通商交渉本部長としてチリを訪問し、両国FTA締結の基盤を固めた。韓氏にとって、今回が2回目のチリ訪問だ。
韓国の首相室によると、韓氏は11日(現地時間)、チリのサンティアゴにあるモネダ宮(大統領宮)で、チリのガブリエル・ボリッチ・フォント大統領と面談。このような両国の協力策について意見を交わした。
1986年生まれのボリッチ大統領は、チリでは最年少の大統領だ。14歳から学生運動を始め、2011年にはチリ大学総学生会長在任中に教育改革デモを主導した。
両国は韓氏の訪問を契機に「今後も続けられる鉱業やバリューチェーンの協力(韓国鉱害鉱業公団)」、「農業科学技術研究協力(農村振興庁)」、「韓・チリ民主的対話(外務省)」の業務協約(MOU)など3件を締結した。
とくに「今後も続けられる鉱業やバリューチェーンの協力」のMOUは米国のインフレ削減法(IRA)改正に対し、突破口を見つけたという評価を受けている。この法には米韓間の最大経済懸案である韓国産電気自動車差別条項が含まれている。チリは米国とFTAが締結された国で、IRAに含まれた電気自動車補助金条件を満たす原産地だ。また、世界最大の銅生産国であり、戦略鉱物であるリチウムとモリブデンの生産量は、世界2位に達するなど鉱物資源大国と知られている。
IRAは一定の要件を備えた電気自動車に限り、中古車は最大4000ドル(約58万円)、新車は最大7500ドル(約110万円)の税を控除することにした。特典を受けるためには北米で組み立てられた車でなければならず、米国産バッテリーの鉱物と部品比重など追加条件を満たす必要がある。ただ、IRAでは米国産として、FTAを結んだチリなど20か国も許可することにしている。
また、2030世界博覧会(エキスポ)釜山誘致への支持を要請。韓氏は同日の面談に先立ち、上院議長との朝食懇談会や、チリ独立英雄のベルナルド・オイギンス将軍の銅像に献花するなどの日程を消化した。
韓氏は朝食懇談会で、アルバロ・エリザルデ上院議長に「いつでも連絡してください」と名刺を渡しながら、議会レベルで両国が協力することを求めた。オイギンス将軍はアイルランド系スペインの大貴族とチリ土豪の娘との間に生まれ、10代後半にロンドン留学しながら革命運動を学んだ後、チリの独立を導いた英雄だ。
韓国はチリとFTAを2002年に初めて締結し、2年後に発効している。チリでは韓国産の電子製品と自動車の市場シェアが高い。チリには現在、約60社の韓国企業が進出して活動している。とくに2004年の韓・チリFTA発表以後、両国間の交易が約2.8倍に拡大している。両国は2016年11月に改善の交渉を開始し、その後6回にわたり公式交渉を勧めている状態だ。
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