倉兼騎手は18日、第9レースで落馬事故に見舞われた。騎乗した馬が前を走る馬にぶつかったために落馬、馬とともにダートを転がった。8月に発生した騎手の落馬死亡事故と状況が似ていたため、悪夢が繰り返されるのではないかと競馬ファンは肝を冷やしたが、幸いにも大事には至らなかった。
ファンが驚いたのはその次だった。次の第10レースは巨額の賞金がかかった第4回農協中央会長杯で、倉兼騎手の出走も予定されていた。普通の騎手であれば事故の直後として出走をあきらめただろうが、倉兼騎手はためらいなく騎乗し、見事な逆転優勝を飾った。
倉兼騎手はレース後、なぜ出走を強行したのかとの質問に対し、「わたしを信じてくれる調教師と競馬ファンを裏切りたくなかった。出走を待ち望んでいた大賞レースなだけに、どうしても騎乗しなければならなかった」と答えた。また、競馬において落馬は日常的なことだと言う倉兼騎手は、「あれは単純な事故。わたしが気をつけなければならなかった」とコメントした。
高知競馬でも10位圏内に入るトップ騎手だった倉兼騎手が、韓国行きを選んだ理由は何だろうか。日本でなら気楽に騎手生活が送れただろうが、そこに安住したくなかったのだという。「自分を信じるものが何もないところからスタートし、実力を認められたくて」韓国へ来たのだと語った。ソウル競馬では222戦19勝、8.6%の勝率を記録した。勝利数は全騎手中5位、出走回数も国内最多騎手と1・2を争うほどだ。
しかし倉兼騎手は、「まだここまでの成績に満足していない。ファンが本当に認めてくれるまで、走って、また走る」と語る。彼のチャレンジ精神はまだまだ尽きないようだ。
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