新旧政権の不協和音、背景は2か月後の地方選挙か＝韓国

韓国で新旧政権の権力争いが繰り広げられている。大統領執務室の移転問題では合意して、かなりの進展を見せているが、新たに人事問題が発生した。文大統領と尹次期大統領の会談後、1週間も経っていない。それなのに、新旧政権間で葛藤が続くのは、今年6月の地方選挙と無関係ではないという見方が出ている。

イ・ジョン の最新ニュースまとめ

　3日、韓国メディア「デイリアン」によると、政界では新旧権力が、ことあるごとに衝突する背景に、2か月後に迫った地方選挙があるとの見方が多いという。地方選挙は、新政権発足1か月も経たないうちに選挙が行われる。そのため、今の時期から選挙体制に突入しているということだ。

　時事評論家のイ・ジョングン氏は「与党が大統領選挙で負けた理由として、文大統領の責任論も浮上している。それだけに、大統領府としては戦略的な行動を取らざるを得ないようだ」とし、「政権引継ぎ委員会（引継ぎ委）の活動評価が、地方選挙にも影響する。そのため、大統領府が引継ぎ委を攻撃し続け、共に民主党が選挙で勝利できるように計らっている」と分析した。

　1日、中央日報でも、地方選挙の勝利のために、支持層を引き止める理由で対立していると報じた。旧政権は「新政権が占領軍のように振る舞い、けん制が必要だ」という印象を与え、新政権は「大統領選挙に敗北した勢力が、大統領選挙に不服を唱える」という印象を与えたいと思っていると指摘した。

　このように強引な権力争いをする新旧政権に、批判の声も高まっている。

　国民日報の2日付社説では「文・尹会談直後、双方が協力して円満に権力を引継ぐと明らかにしていた。しかし、その後もさらに激しく争っている。相手に対する礼儀や配慮も全く見当たらない。心配する国民は眼中にもないのか。政権の引継ぎ期間、無責任な権力争いは過去になかった。新旧大統領はもとより、国民にとっても実に不幸で残念なことだ。両陣営はこれ以上歴史に汚点を残さず、直ちに和解して協力せよ」と批判した。