キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
大統領の新年会見は、その年の国政運営構想を知らせ、国民が気にしている懸案に対する見解を明らかにする「最も積極的な国民との疎通の場」である。新型コロナの感染状況がいくら厳重だとしても、決して避けるべき事案ではないということだ。むしろオミクロン株の感染が深刻なほど、そのような場を通して国民に協力を求めれば、防疫に一層役立つものと思われる。防疫問題により対面による会見が難しければ、オンラインによる非対面会見も技術的にいくらでも可能だ。しかもオミクロン株の拡散はすでに十分予見されていたものだ。それにもかかわらず海外歴訪に乗り出し、新年の記者会見を取り消すというのは、どうもつじつまが合わない。それほど懸念されることなら、最初から歴訪に乗り出すべきではなかったということだ。
事実、国民が文大統領に直接聞きたい懸案は、10本の指でも足りないほどだ。当然、年初から繰り返されている北朝鮮のミサイル挑発に対する文大統領の見解と対処案について聞きたい。北朝鮮は核実験とICBM(大陸間弾道ミサイル)発射再開を示唆しているではないか。「キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の非核化の意志を依然として信じているのか」と、国民は気になるしかない状況だ。
何よりも聞かなければならないのは、中央選挙管理委員会のチョ・ヘジュ常任委員の辞職問題に対する大統領の見解である。大統領が特定の選挙管理委員会常任委員の任期を無理に引き延ばそうとしたことにより全職員の反発を招いたのは、60年の選挙管理委員会の歴史上初めてのことだ。「大統領が次期大統領選挙における “中立の義務”を無視したのではないか」という国民の知る権利がある。
百歩譲って今の事情がよくないのなら、時間を置いて実施するというのならまだわかる。青瓦台は「次期大統領選の公式選挙活動が来月15日から始まるため、事実上延期は難しい」と言っているが、それは言い訳でしかない。旧正月の連休が終わっても、公式選挙運動までには10日ほど時間的余裕がある。その間に会見を開けば、政治的中立に引っかかるという問題も避けることができる。何よりも文大統領の任期はあと3か月ほどしか残っていない。最後まで最善を尽くし国政に臨む姿をみせることが、国民に対する最小限の道理でもある。文大統領は自ら今月3日の新年の辞を通して「最後まで責任を果たす政府となる」と言っていたではないか。新年記者会見のキャンセルは、それゆえ残念でならない。
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