済州市では正午ごろ最大瞬間風速52.1メートルを記録するなど、午前から済州全域に秒速30~40メートルの強風が観測された。午後11時現在の降雨量は、漢拏山・城板岳で556ミリ、済州市で420ミリ、西帰浦市で2655ミリなど。城板岳地域では1927年に気象観測を始めて以来の最高値を記録した。南部地方では、全羅南道・高興の239ミリをはじめ順川236ミリ、山清199ミリ、晋州193ミリ、珍島126ミリ、木浦102ミリ、光州48ミリ、釜山21ミリなどを観測した。
強風と暴雨による交通事故や船舶の沈没、住宅崩壊などの事故で、16日午後11時30分現在、全国で13人が死亡、7人が行方不明となっている。済州では暴雨のため市中心部を流れる4河川がはんらん、付近に駐車されていた100台余りの車両が破損したほか、建物200棟余りが浸水し住民が緊急避難した。また市内道路30区間が浸水し車両通行が不可能となった。市と道内30か所余り約5万世帯で電気の供給が止まった。
全羅南道でも河川のはんらんで住民が退避する騒動となったほか、山崩れや交通事故などが発生した。全羅南道海南郡沖では漁船が沈没し船員2人が行方不明、1人が死亡し、海水浴場で男性が波にさらわれる事故もあった。光州市、慶尚南道海岸地域などでも相次ぎ被害が見られた。
済州空港では162便の航空便が欠航となったほか、済州を起点とする6つの旅客船の全航路が規制されるなど、島と陸地を結ぶ交通手段が完全に遮断され、2万人以上の住民と観光客を足止めした。
このほか、済州市と済州道内30か所余り約5万世帯、全羅南道麗水市で約1600世帯が停電し、莞島郡などの島しょ部では8500世帯で電気の供給が完全にストップし、インターネットなどの通信網が途切れた地域もあった。
台風11号は次第に勢力を弱め、17日午前0時ごろ、慶尚北道安東市の南西約80キロメートル地点で消滅した。しかし気象庁は、雨で弱くなった地盤の崩壊など追加被害が予想されるため、被害予防を呼びかけている。
Copyright 2007(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.
Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0