歌手イ・スヨン=5日、ソウル(聯合)
歌手イ・スヨン=5日、ソウル(聯合)
歌手イ・スヨンは4月、生まれて初めて精神科に足を踏み入れた。元所属事務所との訴訟問題で、2年にわたり“うつ”の症状に悩まされていたためだ。しかし薬の服用で食欲が減退し体重が落ち、不眠症にも苦しめられた。
 
5月から8枚目のアルバムの収録が始まったが、声にも感情がこもらなかった。イ・スヨンはこの時初めて、歌手をしてはいけないのではないかと思った。メロディーがあり、リズムもある、しかし歌に命がない。「魂をこめて歌うのがつらい」と初めて感じたという。「うつ症状になったら、恥じずにとにかく病院に行くこと。無理やり歌って何とかなるというものではないですね」というイ・スヨン。この時に録音した歌は使いものにならなかったが、祈りと治療を経た後は1日1曲ずつという驚くスピードで録音していったという。

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精神的な試練を乗り越えたアルバムのタイトルは『下ろす』。信仰心のあついクリスチャンの彼女は、ある宣教師の本を読み、“イ・スヨン”という名にかかわるすべてのことが欲であると悟った。歌を自分のものだと考えていたのは間違いで、健康も一瞬で失ってしまうことがあるように、ある日声が出なくなれば歌手もできなくなる、手にするものがすべて自分のものではないと分かったという。

三十路を控え、今一度人生を学んだ。アルバムにはこうした心理状態がそっくり現れている。収録曲はトレードマークのバラードから大きく外れてはいないが、全体的にメロディーも軽やかで歌い方でもぜい肉をそいだ。安らかさを感じた。本人は「前と違って聞こえるのは、みんながなじんでいたわたしならではのリズムとグルーブ、また、音の押し引きの幅が大きすぎ歌に緊張感を与えていたのを、すべてを下ろしたため」と分析した。

タイトル曲『ショートヘア』はフォークロックとアイルランド音楽が結びついた異国的な歌だ。イ・スヨンはヘアスタイルもばっさりと切りボブにした。

アルバム完成で活動を再開するが、これからは芸能界に吹き荒れるバラード戦争に身を投じなければならない。7枚目アルバムまで約300万枚を売り上げ“バラードの女王”と呼ばれようと、アルバム発売のたびに試される気持ちになるのは変わらない。1999年のデビューから9年目、歌手になれたことが自分の人生で最も大きな贈り物だとイ・スヨンは語った。


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