韓国で、与党「共に民主党」の大統領選候補であるイ・ジェミョン(李在明)前京畿道知事をめぐる「ソシオパス」論争が激しくなっている。

キム・ブソン の最新ニュースまとめ

 27日、韓国メディアのメイル新聞によると、精神科医のカン・ユニョン博士が今月20日、メイルTVのユーチューブ放送に出演し、李前知事を指して、ソシオパスと発言したことが物議をかもしているという。

 司会者が「ジキルとハイドのようですが?」と、李氏の性格についてカン氏に問いかけた。カン氏は、「大庄洞開発疑惑に関する国政監査の態度、兄と義姉に対する誹謗(ひぼう)中傷、女優との恋愛騒動などを見ると、(李在明氏は)他人の苦痛や被害には全く関心がない様子を見せている。回りの人々を苦しめるのが、ソシオパスの典型」と意見を述べたのが、論争の発端となった。

 カン氏はソウル大学医学部出身で、神経精神科の専門医ということから、同氏の発言が注目されている。また、カン氏が野党「国民の力」の大統領選候補の一人である、ウォン・ヒリョン(元喜龍)前済州道知事の妻であるため、同氏の発言が「政治的」と捉えている人もいるようだ。

 同氏の発言について、李前知事と恋愛騒動に巻き込まれてる女優のキム・ブソンさんは以下のように語っている。

 経済紙のマネートゥデイは25日、女優のキム・ブソンさんが本人のフェイスブックに書き込んだコメントを紹介した。キムさんは「李在明氏はソシオパス」と発言した、カン博士を扱った記事へのリンクを共有し、「この記事を見ると、彼はソシオパスだった」と書き込んだ。

 キムさんは「数か月前も李前知事との民事裁判で、思わず裁判部にこう叫んだ」とし、「裁判長、彼は非常に危険なサイコパスです」と訴えたという。

 実際、キムさんは今年8月に法廷で、「相手は大統領になると豪語するサイコパスだ」と涙声で話した。キムさんは李前知事が、自分を虚言症患者と決めつけたために、精神的・経済的損害を被ったとして、3億ウォン(約2940万円)規模の損害賠償請求訴訟を起こしている。

 カン氏の主張に対して、与党側からは激しい批判が上がっている。

 25日、経済紙のイデイリーによると、李氏陣営のチン・ソンジュン議員が、カン氏のソシオパス発言を強く批判したという。

 チン議員は25日、KBSラジオの時事番組に出演し、「根拠が薄弱な状態で大統領候補に対して精神病があるとか、ソシオパスだとか、こういうふうに断定することは政治的介入だ」とし、「非常に不適切なことだ」と述べた。続いて「医学的根拠を言うべきだ」とし、カン氏の発言は、医療倫理違反だと主張した。

 この医療倫理違反という主張に対しては、批判の声が上がっている。

 25日の朝鮮日報によると、政治評論家のパク・ドンウォン・ポリコム代表が自身のフェイスブックに、「李氏は過去に、一般人に対して『精神病者のようだ』というツイートをした事実を指摘したという。

 パク代表は「医師が、ソシオパスの話をしたのが医療倫理法違反だとすれば、市長が精神病者の話をすれば無免許医療行為になる」とし、「実際、李氏は25人を精神科病院に送った」と批判した。

 これに先立ち「国民の力」イ・エヒョン京畿道議員の入手資料によると、李氏が城南市長として在職していた2010~2018年に、強制入院(行政入院)の患者は25人もいたことが明らかになった。

 2015年、あるネットユーザーが李氏に対して「詭弁(ぎべん)ばかりする精神病患者ではないか」と書き込んだことがる。そのときも李氏は、「この人が精神病者ですね。処罰ではなく、精神科病院で治療を受けさせるべき人です」と反論したという。
Copyrights(C)wowkorea.jp 104