韓国と北朝鮮は55日ぶりに通信連絡線を回復させた(画像提供:wowkorea)
韓国と北朝鮮は55日ぶりに通信連絡線を回復させた(画像提供:wowkorea)
南北(韓国と北朝鮮)は55日ぶりに通信連絡線を回復させたが、今後の南北関係の方向性については「同床異夢」のようである。

キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ

通信連絡線の回復をきっかけとして南北対話を速やかに再開し、朝鮮半島の平和定着問題を論議しようとしている韓国とは異なり、北朝鮮は依然として敵対視政策撤回などの「重大課題」を韓国側に「まず解決しなければならない」と強調するなど、双方の考えには温度差がみられる。

これまで断絶していた南北のチャンネルが、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の意志により再稼働したことで関係回復の道へと進む可能性はあるが、南北が互いに異なる点に重きを置いているため「今後の対話は順調にはいかないだろう」という見方も出ている。

韓国統一部(省)の報道官はきょう(4日)「朝鮮半島情勢の安定と南北関係回復のための土台が築かれた」とし「南北間の通信連絡線の安定的運営を通じて速やかに対話を再開し、南北合意の履行など南北関係回復問題と朝鮮半島の平和定着のための実質的な話合いを始め、これを進展させていけることを期待する」と伝えた。

しかし北朝鮮側による連絡線回復についての声明は、韓国のものとは多少異なったものであった。

北朝鮮は韓国に対して「通信連絡線の再稼働の意味を深く刻み、北南(南北)関係を収拾し今後の明るい前途を開いていくことにおいて先決されるべき重大課題を解決するために、積極的に努力しなければならない」と強調した。

「重大課題」とは、最近キム総書記とキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党第1副部長が繰り返し強調している「対北敵対視政策および二重基準の撤回」などであるものとみられる。

北朝鮮は、韓国のミサイル発射は「抑止力」とみなし、自分たちのミサイル発射は「挑発」とみなすことは「二重基準で不当だ」という主張を繰り返している。

北朝鮮が米韓合同軍事演習への不満から連絡線を一方的に断絶したという点を踏まえると、いわゆる「重大課題」に対する韓国側の誠意をみせるよう圧力をかけ、それが気に入らなければ再び連絡線を断絶させることも示唆したものだという分析も出ている。

このような事項は、韓国としては受け入れが容易ではないものである。チョン・ウィヨン(鄭義溶)韓国外相は今月1日の国政監査で、キム副部長が対北敵対視政策の撤回などを要求したことについて「一方的な主張であり、韓国と米国は受け入れることができない」と語っている。

このような双方の立場を踏まえると「南北関係がすぐさま急展開することは簡単ではない」という見方が多い。

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