つらい経験は時間が経てば思い出になると言うが、いくら時間が経っても美化されない記憶が軍隊時代だ。階級と統制で運営される軍隊では、侮辱的な言葉にも不快な表情はできない。
Netflixで世界的な関心を集めているドラマが「D.P」だ。 D.Pは脱走兵を捕まえる軍務離脱逮捕組「D.P.(Deserter Pursuit)の話で、脱走兵たちにまつわる個々人のストーリーが盛り込まれています。
D.Pが注目されたのは他の理由がある。まさに軍内部の不条理を赤裸々にさらけ出したという点に、人々の関心が集まっている。インターネットでは軍隊に服務した大半の男性は、過去の軍生活の経験を思い浮かべながら怒りを覚え、なかなか改善されない軍隊文化を批判している。
面白い点は韓国だけでなく海外でもD.Pに対する関心が高いということだ。韓国と同様に徴兵制があるベトナムやタイではD.Pが週間ドラマの10位内にランクインした。韓流アイドルのファンはD.Pを見ながら自分たちの推しのアイドルが入隊しなければならないと心配している。
ロイター通信は、「D.Pは軍隊不条理問題が浮き彫りになり、青年が経済活動と学業に費やす時間を軍服務に奪われるという怒りが高まっている状況で放送が始まった」と指摘した。つまり、軍隊に対する社会的不満が高まり、D.Pに視線が集まったということだ。
D.P.の人気に国防部は慌てた様子だ。 国防部は「兵営環境が変わった」とし、「国防部は虐待や過酷行為の根絶のために努力している」と釈明したと、ロイター通信は伝えた。ただ、国防部の発言とは異なり、海軍一等兵が兵営内のいじめで命を絶ったという事態が起きている。
軍隊に対する市民の怒りは変わらない。大統領選候補たちは、D.Pを見た感想をSNSなどでコメントし、軍隊文化の改善を約束した。イ・ジェミョン(李在明)キョンギド(京畿道)知事は、軍隊の不条理について、「青年たちを絶望させる野蛮な歴史から終わらせるのがMZ(世代)政策だ」と皮肉った。
専門家たちは、徴兵制度の廃止が兵営文化の革新につながることはないと見ている。徴兵制が廃止されたとしても軍隊が残っている限り軍隊不条理問題は持続し、軍隊文化の改善が先行しなければ徴兵制廃止だけではすべての問題を解決することはできないと指摘した。
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