韓国　きょうのニュース（９月１６日）

◇小型衛星搭載の固体燃料ロケット　２４年に打ち上げへ　韓国国防部と科学技術情報通信部は１６日、共同報道資料を出し、韓国の独自技術で開発した固体燃料エンジンを搭載したロケットを２０２４年ごろに打ち上げる計画を発表した。このロケットは朝鮮半島地域を偵察する小型偵察衛星を搭載する予定で、政府はこれで独自の宇宙技術を有する「世界７大宇宙強国」へ飛躍するとの目標を掲げている。◇金与正氏の文大統領非難談話　国内向けメディアでは報じず　北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長（朝鮮労働党総書記）の妹、金与正（キム・ヨジョン）党副部長が１５日、潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）の発射実験を視察した韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領を非難する談話を出したが、朝鮮労働党機関紙の労働新聞や朝鮮中央放送など北朝鮮の国内向けメディアは談話を伝えていない。金与正氏は文大統領を名指しし、「言動を深思熟考すべきだ」として「南北関係の完全な破壊」まで警告した。ただ、国内には公開しないことでトーンを弱めたとみられる。◇国際人権団体　大統領・国会に「メディア懲罰法案」の修正要求　国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は韓国の文在寅大統領と国会に対し、メディアに対する懲罰的な損害賠償を盛り込んだ「言論仲裁法」の改正案の修正を求める書簡を送った。同団体はホームページに公開した書簡で、「改正案は表現の自由、情報の自由、言論の自由を深刻に阻害し、言論の批判的な報道を困難にする」と主張。虚偽・ねつ造報道に関する定義が不明確のため、乱用される可能性があるとして、「訴訟を誘発する報道を避けようと自己検閲をすれば、批判的な報道や人気がないもの、少数の意見に関する報道などを制限する可能性がある」と指摘した。◇新型コロナで経営難の企業　昨年賞与・成果給を大幅削減　新型コロナウイルスの流行で経営難に陥った韓国企業が、昨年は従業員の賞与（ボーナス）と成果給を大幅に減らしたことが分かった。雇用労働部が発表した２０２０会計年度（１～１２月）の企業の労働費用調査結果によると、常用労働者１０人以上の国内企業の常用職１人当たりの月平均労働費用は５４０万８０００ウォン（約５１万円）で、前年比１．３%増加した。労働費用のうち、賃金総額を指す直接労働費用は１人当たり月平均４２８万４０００ウォンで前年比０．８%増にとどまった。直接労働費用のうち賞与と成果給は６５万４０００ウォンで、１０．６%減少した。これは経営悪化によるものとみられ、企業が比較的調整しやすい賞与と成果給を削減して人件費を抑えたとも読み取れる。◇大統領選　最大野党は２強構図に　来年３月の韓国大統領選を巡り、公認候補を選出するための最大野党「国民の力」の予備選が尹錫悦（ユン・ソギョル）前検事総長と洪準杓（ホン・ジュンピョ）国会議員による２強の構図となり、両氏の競争も激しさを増している。最新の世論調査によると、野党候補では尹氏が支持率１位を守る中、洪氏が猛追する形となっている。洪氏が尹氏を上回る調査結果もあった。ただ、競争が過熱する場合、党内の亀裂が広がり、公認候補選出後の選挙体制に否定的な影響を与える可能性がある。◇軍「北は多様な移動式発射台を開発中」　列車からのミサイル発射に　韓国軍合同参謀本部のキム・ジュンラク広報室長は国防部の記者会見で、北朝鮮が列車から弾道ミサイルを発射する「鉄道ミサイル体系」を開発し、公開したことについて、「北は多様な移動式発射台を継続的に開発している」との分析を示した。北朝鮮は過去に発射台付き車両から弾道ミサイルを発射したが、１５日は中部の平安南道で２発の弾道ミサイルを列車から発射した。旧ソ連で利用されていた発射方法をまねたと分析される。◇済州島に台風注意報　あすにかけ大雨・強風予想　台風１４号が南部・済州島に接近していることを受け、済州地方気象庁は１６日正午をもって同島の陸上に発令していた強風注意報と海上の波浪特報をそれぞれ台風注意報に切り替えた。台風は済州島南部の海上を経て、１７日に朝鮮半島と九州の間の大韓海峡を通過すると予想される。気象庁は、済州ではあす午前にかけて１００～３００ミリ、多いところでは４００ミリ以上の雨が降るほか、最大瞬間風速３０～４０メートルの非常に強い風が吹くと予想した。◇文大統領非難の与正氏談話に不快感　政府「基本的礼儀守るべき」　統一部の当局者は１６日、北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正党副部長が前日にＳＬＢＭの発射実験を視察した文在寅大統領を非難する談話を出したことを巡り、「どのような場合でも相手に対する基本的な礼儀と最低限の尊重を守らなければならないことをはっきりと強調する」と記者団に述べた。