配送ドライバー相次ぎ死亡にも冷ややかなメディア = 韓国(画像提供:wowkorea)
配送ドライバー相次ぎ死亡にも冷ややかなメディア = 韓国(画像提供:wowkorea)
配送ドライバーの死亡事故が相次ぎ発生し、気の毒に思う一方で、配送ドライバーの安全運転に対する意識不足を指摘する冷ややかな声も聞かれる。新型コロナウイルスの影響で、配達市場が持続的に規模を拡大しているが、配送ドライバーの運転習慣や処遇などがその速度についていけないためと思われる。業界では配達件数が収入に直結するため、時間に追われて強引に運転するしかないという悪循環の仕組みを解決しなければ、配送ドライバーの「乱暴運転」は後を絶たないだろう。

昨年下半期、配送ドライバー40万人…「夜は飛び回るレベル」

 先月26日、ソウルカンナム(江南)区 ソンヌン(宣陵)駅近くで、40代の配送ドライバーのA氏が貨物車にひかれて死亡した。信号待ちだった貨物車の前にAさんが割り込み、高い運転席のため配送ドライバーに気づかなかった貨物車の運転手がそのまま発車して事故が発生した。先月31日にはクムチョン(衿川)区ドクサンドン(禿山洞)でも、バイクを運転していた60代の配送ドライバーB氏が後ろから来たスポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)にひかれて死亡した。

 宣陵駅の事故現場に亡くなったA氏を追悼する空間が設けられ、市民が献花をしながら故人の冥福を祈った。民主労総は相次ぐ死亡事故に対し、「配送中に起きたオートバイ事故は必ず労災扱いにすべきだ」と指摘した。

 しかし、多くの市民は配送ドライバーの死亡を気の毒に思いながらも、信号違反、歩道走行、横断歩道走行、車両間の空間に割り込んで運転などが横行し、危険に直面したケースが多いと話す。

 普段、自家用車を運転しているC氏(55)は、配送ドライバーの死亡事故に残念がる一方、「運転するたびにオートバイを見ると、はらはらする。特に夕方の時間は、ほとんど飛び回っているレベルだ。信号を無視して通り過ぎる配送ドライバーを見ると怖くて、より注意して運転している。みんな生きるために仕事をしているが、ドキッとすることが多く、改善が必要だ」と述べた。

 宣陵駅のA氏の追悼空間でも、市民の反応は二つに分かれた。8月29日、現場では「ここで事故に遭い亡くなられたのか」と黙とうする市民がいる一方、「信号違反をしたから死亡したのだ」と舌打ちする人も見られた。民主労総の関係者は「3日間で臨時焼香所にいたが、こんなに反応が分かれるものなのかと思った」と話した。

昨年のオートバイ交通事故、18.48%↑…労組「1件当たりの収入を変える必要がある」

 ソーシャルディスタンスの長期化でデリバリー需要が急増し、たくさんの配送員が街に溢れている。統計庁によると、20年下半期の配送員(郵便配達員、宅配員、飲食デリバリーなど)就業者数は39万人で、19年下半期比11.8%増加している。2013年の調査以降、最も高い数値だ。

 道路交通公団によると、昨年の自動二輪車の交通事故件数は3万4046件で前年比18.5%増加、歴代最高を記録した。死亡者と負傷者もそれぞれ439人、4万830人で前年比3.9%、17.6%増加するなど最高値を記録している。

 業界では配送ドライバーのひどい運転習慣が問題だが、彼らが荒っぽく運転するしかない構造的要因に注目している。配達業者の収入算定方式は件数ごとに金額が決まるだけに、限られた時間内に無理やり多くの配達件数をこなそうとすることが起こるしかないということだ。

 こうした構造的な問題を解決するためには、結局、配送ドライバーの交通安全順守の意識を高めるだけでなく、プラットホーム業者、小商工人、政府などが膝を突き合わせて解決策を出す必要があるという指摘が出ている。

 キム・ヨンス配達労組ペミンライダー会長は「配送ドライバーが交通ルールを破る習慣は見過ごすことはできない。非正規職なども時給制・月給制を導入し、基本的な生活が保証される収入を得る必要がある」と述べた。

 また「代案としては雨が降ったり、昼休みなどのピーク時間には注文件数を2000件から3000件に制限する方法もある。実際こうした代案は現実的に小商工人とプラットホーム業者の立場では受け入れがたいだけに、徐々に話し合いを通じて意見を調整する必要がある」と述べた。
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