正恩氏が東京地裁から”呼び出し”…「地上の楽園」損害賠償訴訟とは?(画像提供:wowkorea)
正恩氏が東京地裁から”呼び出し”…「地上の楽園」損害賠償訴訟とは?(画像提供:wowkorea)
朝鮮労働党総書記のキム・ジョンウン(金正恩)氏が、東京地裁から「呼び出し」されていたと報じられた。「被告 金正恩様」という文言に韓国のネットユーザーらも”二度見”するほど驚いているという。

キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ

 韓国メディア「世界日報」は31日、現地特派員の取材として「東京地裁は、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を被告とし、その代表者である金正恩総書記宛の書面を提示した」とし、「”地上の楽園”5億円賠償請求によるもの」と伝えた。

 正恩氏が「被告」となっている”地上の楽園”5億円賠償請求訴訟とは、どのような訴訟なのだろうか。

 この裁判は、在日朝鮮人らの帰還事業として北朝鮮に渡った後、同国を脱出して日本に戻った脱北者が北朝鮮政府を相手取り「総額5億円」の損害賠償を求めたものだ。

 1960~70年代、北朝鮮に渡って帰還事業に参加した在日朝鮮人らが、長年にわたって基本的人権を享受できずに凄惨(せいさん)な生活を強いられたと主張。北朝鮮から脱出し日本に戻った脱北者5人が2018年8月、北朝鮮政府を相手取り総額5億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 原告側は、北朝鮮が自国を「地上の楽園」とだまして帰還事業に参加させたが、実際には十分な食事も与えず、扱いに抵抗すると弾圧して北朝鮮からの出国を許さないなど、基本的人権を抑圧したと主張。「帰還事業は、北朝鮮による”国家ぐるみの誘拐行為”だ」と訴えた。

 また、原告側は「北朝鮮に残してきた家族が出国を許されず、いまも再会できていない」とし、「被害は現在も続いている」と主張した。

 東京地裁は2018年の提訴以来、複数回、原告側と協議。北朝鮮とは国交がなく、大使館など政府を正式に代表する機関も日本国内にないため、東京地裁は「訴状」など関係書類の送付先がないと説明した。

 その上で、裁判所の掲示板に書類を一定期間貼り出しながら被告側に届いたとみなす「公示送達」を行い、口頭弁論を開く方針と明かしていた。

 この方針に則り、今回「被告 金正恩様」とする公示送達がなされたとみられる。

 第1回口頭弁論は来る10月14日に開かれる予定だが、韓国メディアは「この裁判に正恩氏が応じる可能性は、極めて低いだろう」と伝えた。

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