手術室の監視カメラ設置法、ようやく福祉委通過…2年間の猶予期間を置くことに=韓国(画像提供:wowkorea)
手術室の監視カメラ設置法、ようやく福祉委通過…2年間の猶予期間を置くことに=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では手術室に監視カメラを置く「CCTV設置法」が23日、国会で9か月の議論を終え、国会保健福祉委員会(福祉委)を通過した。福祉委はこの日午前、法案小委員会に続き午後に全体会議を召集し、手術室の監視カメラ設置義務化案を盛り込んだ、医療法改正案を議決した。

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 この法案は代理手術を巡る問題などで、2015年に発議された。改正案は手術室内に外部のネットワークとつながっていない監視カメラを設置するという内容だ。ただ、法案公布後、施行までは2年間の猶予期間を置くことにした。

 改正案によると、撮影は患者が望めば義務的に行い、閲覧は捜査や裁判関連の公共機関の要請、患者と医療関係者の双方同意がある場合に可能だ。医療界の反発を考慮し、正当な理由があれば、医療陣が撮影を拒否できるようにする例外条項も設けた。

 例外は手術が遅れると、患者の生命に危険が生じる場合。または応急手術を行う場合、患者の生命を救うために危険度の高い手術を行う場合、専攻医の修練目的を著しく阻害するおそれがある場合などだ。

 また、監視カメラの設置費用を政府が支援できるようにし、閲覧費用は閲覧要求者が負担することにした。撮影時は録音機能は使用できないが、患者や医療スタッフの同意があれば録音も可能にした。医療機関は監視カメラの映像情報を30日以上保管し、資料が流出・損傷しないように措置することにした。

 福祉委はこれに先立ち、キム・ナムグク、アン・ギュベク、シン・ヒョンヨン議員が提出した監視カメラ設置法を、昨年11月26日から同日まで5回にわたって審査し、5月には医療界、患者団体との公聴会も開いた。与野党はすでに今年6月、手術室内に監視カメラを設置するという大きな枠組みで意見が一致したが、具体的な撮影・閲覧要件や施行猶予期間など各論での意見の隔たりを狭められず、調整を続けてきた。

 特に、争点だった撮影拒否の範囲は、医療界の意見を反映して具体的な事例を記載するものの、保健福祉部令で、範囲を調整できるようにすることで合意に達した。

 共に民主党の大統領選候補であるイ・ジェミョン(李在明)京畿道知事が主張してきた法案でもある監視カメラ設置法をめぐり、代理手術や医療事故防止を求める患者団体と医療行為の萎縮を憂慮する医療界が対立してきた。

 韓国患者団体連合会(患者団体)は「歓迎する。法制司法委員会と本会議での成立を求める」と発表した。患者団体は「撮影映像の閲覧やコピー本の発給が許容される条件として、韓国医療紛争調停仲裁院での調停および仲裁手続きの開始は含まれているが、韓国消費者院での被害救済調停手続きの開始は抜けているため、追加すべきだ」と主張した。

 一方、大韓医師協会(医協)と大韓病院協会(病協)など医療界の主要団体は、一斉に反対意見を示した。医協はこの日「手術室の監視カメラ設置への義務化は国民の健康と安全、患者の保護に逆行し、医療界を後退させる誤った法案」とし、「本会議でも福祉委の誤った判断を正し、否決すべきだ」と求めた。病協も「現場で汗を流すすべての医療人と病院界従事者の苦労と犠牲を過小評価する」とし、「大変遺憾だ」と述べた。
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