米シンクタンク“ランド研究所”のブルース・ベネット上級研究員(画像提供:wowkorea)
米シンクタンク“ランド研究所”のブルース・ベネット上級研究員(画像提供:wowkorea)
ジョー・バイデン米大統領は “外交安保通”である。米上院外交委員長を務めるなど、外交委員会だけでも12年間 活動してきた外交分野の専門家である。

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「バイデン大統領は(米韓)首脳会談の3週間前に対北政策の検討を完了した。ムン・ジェイン(文在寅)大統領との対話において “強い基礎”を築くためである。しかし2人による “北朝鮮への立場”が全く異なる。バイデン大統領が対北政策において『どれほど妥協するか』が、今回の会談の成敗を左右する核心だとみている」

米国で朝鮮半島の外交・軍事・安保分野において最高レベルの専門家とされている、米シンクタンク“ランド研究所”のブルース・ベネット上級研究員は、今月15日(現地時間)に韓国メディア“EDaily”とのインタビューを行なった。ベネット上級研究員は、訪韓回数だけでも120回を越える「代表的な “知韓派”専門家」である。

まず ベネット上級研究員は “韓国ができること”について「ノ・ムヒョン(廬武鉉)政権の時である2005年、韓国が立てた2006年から2020年までの国防基本計画をみると、国防予算が621兆ウォンとなっていたが、実際に使われたのは520兆ウォンにしかすぎない。100兆ウォンほどの予算を減らすというのは、非常に異例なことだ。文大統領は、平和的共存が招く多様な副作用を知るべきだ。韓国の軍事力が弱くなると、その間 北朝鮮の力が強くなり得る。北朝鮮が現在のように文大統領と対話をしようとしないのなら、韓国は国防力を強化するしか方法はない。『対話しないのなら 我々はこうするしかないので、君たちが選びなさい』という態度を示すべきだ。国防が強化されてこそ、対北関係においてテコが生まれる」と語った。

ベネット上級研究員は “朝鮮半島の非核化の可能性”について「可能だとみているが、今ではない。キム・ジョンウン(金正恩)北朝鮮労働党総書記には、核が必要な理由がいくつかある。まず “北朝鮮の統制の下、南北を統一するため”である。また “米国と中国からの干渉を遮断するための次元で必要だということ”である。しかし キム総書記は そのために自身がどれほど危険な状況に追いやられているのかを認識できずにいる。このようなキム総書記の考えが変わらない限りは、朝鮮半島の非核化は事実上 困難だ。2018年のパンムンジョム(板門店)宣言をみればわかる。その時 キム総書記は『非核化』を言及したが、今は正確に その反対を進んでいる」と語った。

つづけて「バイデン大統領の対応は、そのような延長線上にある」とし「断固とした抑止政策の一つが、『北朝鮮が核を保有することは、北朝鮮政権を危険にさらすことだ』ということを、北朝鮮に はっきりと認識させることだ」と語った。

また ベネット上級研究員は「キム総書記はバイデン大統領から多くの譲歩を期待している。しかし バイデン大統領は そのようにはしない。キム総書記がバイデン大統領から譲歩を引き出そうとするなら、何をどのようにすべきかについて悩む段階だとみている。その過程において 各種の挑発は続くだろう」と語った。

つづけて “日韓関係”については「重要なのは国防分野だ。日本の協力がなければ、韓国を100%防御できない。韓国には 日本ほど軍事を戦略的に活用できる滑走路・港湾が多くない。米軍をイラク戦の時のように派兵するなら、韓国がその全てを受け入れることができず、滑走路などは麻痺することだろう。北東アジアにおいて 日本の役割は大きいというのは明確だ。韓国はこの点を見過ごしている」と語った。

一方 韓国における “クアッド(Quad・日米豪印の4か国安保協議体)”問題については「韓国がクアッドに “オブザーバー”とし参加はできるが、“メンバー”にはなれない。韓国は 新型コロナウイルス感染症パンデミックの時、中国人の入国を拒否する場合 中国が報復することを恐れ、そのようにできなかったという見方をもっている」とし「中国は韓国と長い間 貿易関係を続けてきたが、(韓国が中国に)歯向かう行動をとれば 即刻 報復に乗り出す。中国への貿易依存度を減らさなければ、中国による韓国への影響力は続くだろう。このような状況でクアッド参加は非常に困難な問題だ」と語った。

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