金日成主席の回顧録騒動…統一部「出版目的の承認なかった」

韓国統一部は26日、北朝鮮のキム・イルソン（金日成）主席の回顧録「世紀とともに」の国内出版をめぐり、「該当出版社に対して出版を目的とした搬入承認をした事実はない」と改めて強調した。

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　統一部のイ・ジョンジュ報道官は同日午前、定例会見を通じて、ある国内大型書店が「世紀とともに」を販売中止した事実について「出版経緯をはじめ、統一部レベルで取り得る措置があるかどうか把握してみる」と述べた。

　「世紀とともに」は金日成主席の抗日武装闘争史を記した本で、1992年4月15日の金主席80回誕生日を機に出版され、1998年までに計8冊が朝鮮労働党出版社から発刊された。

　韓国の出版社「民族サランバン」は去る1日に本書を出版し、現在YeS24やアラジンなど韓国のオンライン書店を通じて予約販売されている。

　ただし、該当の本をめぐり「利敵表現物」との指摘と共に、国家保安法違反の余地があるという主張が提起されたため、教保文庫では販売を中断することにした。

　この日、教保文庫側は「利敵表現物である『世紀とともに』を購入した場合、国家保安法で処罰されることもあり得る状況で、顧客の不便と不安を最小限に抑えるため、新規注文受付をしないことにした」と説明した。

　統一部によるとこの本は2012年、「特殊資料取扱認可機関」（北朝鮮関連研究機関に該当）に販売する目的で搬入承認を受けたこと以外は、一般に販売するための別途の手続きを踏んでいない。

　この日、イ報道官は「一部の市民団体が回顧録の販売、配布禁止仮処分申請をすでに裁判所に提出している」とし、「警察と司法当局で関連調査と法的判断が進む動向を見守る」と言及した。