同日午前9時から始まった会見でトさんは、2003年10月18日に何者かにそそのかされて豆満江を渡り、強制的に車に乗せられたと明らかにした。その数日後には中国・瀋陽の日本総領事館を通じて日本に引き渡され、同年11月21日から日本で生活するようになったという。トさんは1949年に神奈川県で生まれた在日朝鮮人で、1960年に帰還事業により両親とともに北朝鮮に帰国した。
日本では3年7か月にわたり生活したが、子どものころに住んでいた日本とは大きく変わっており、故郷を訪ねても懐かしさを感じなかった。新聞では毎日のように子どもが親を殺したり、年老いた人が数か月ぶりに発見されるというニュースが報じられ、1人で暮らす自身の将来をとても心配に思ったと振り返った。
日本を脱出した動機については、日本の当局者から子どもを連れてこなければならないのではないかと問われた際に、子どもがいる祖国に帰るべきだと思ったからだと説明した。子どもたちが北朝鮮で幸せに暮らしているとの知らせを聞き、1日も早く子どもたちに会いに行かなくてはとの考えだけで、毎日睡眠薬と酒を飲んで過ごしたという。
今回の会見と関連し、北朝鮮専門家らは、6カ国協議の再開を控え、拉致問題解決を求めている日本との交渉で機先を制する狙いがあるのではないかと分析している。
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