キム・ジョンウン の最新ニュースまとめ
南北の分断後、北朝鮮の最高指導者が韓国に直接謝罪した例はほとんどない。1972年5月、当時の金日成(キム・イルソン)主席が訪朝した李厚洛(イ・フラク)中央情報部長に対し、68年に北朝鮮特殊部隊がソウルに侵入した青瓦台(大統領府)襲撃未遂事件について「非常に申し訳ない事件」と謝罪。金正日(キム・ジョンイル)総書記も同事件に関し、2002年5月に訪朝した朴槿恵(パク・クネ)韓国未来連合代表に「申し訳ない気持ち」と言及していた。
ただ、いずれも韓国側関係者との面会中に出た発言で、今回のように公式の通知文で謝罪したものではなかった。
北朝鮮はこれまで謝罪の声明を発表したことはあるが、遺憾を表明する水準にとどめていた。2008年に北朝鮮の景勝地・金剛山で北朝鮮兵士が韓国人観光客を射殺した事件が起きた際は名勝地総合開発指導局が談話を出し、「遺憾に思う」としながらも、「すべての責任は全的に南側にある」と表明。2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を巡っては訪朝した米国のカーター元大統領に対し、遺憾を表明しながらも謝罪はしなかった。
これまで遺憾表明は北朝鮮の実務者や朝鮮中央通信の論評などを通じて発表していた。このため、金委員長が韓国に対して公に謝罪した背景に関心が集まる。金委員長が過去の最高指導者に比べ、問題を認めて謝罪することをちゅうちょしない点も要因とみられる。
韓国の李仁栄(イ・イニョン)統一部長官は25日の国会外交統一委員会で、金委員長が謝罪したことについて「非常に異例」として、「申し訳ないという表現を2回も使って北の立場を発表した例はなかった」と答弁した。
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