「体温計　vs　温度計」需要増に便乗した無許可・不法輸入の体温計3万個摘発…13億ウォン規模＝韓国

韓国でも新型コロナウイルス防疫の必需品とされる非接触式の赤外線体温計。その需要が急増したことに乗じて、性能が検証されていない無許可の製品や違法輸入した中国製の体温計を販売した業者が一斉に摘発された。

　ソウル市の民生司法警察団は、無許可の製造メーカーの代表ら10人と中国製の製品を流通・販売した業者2人を医療機器法違反で刑事立件したと、23日、明らかにした。

　摘発された業者は主に中国製の体温計を違法に輸入し、学校、老人会、企業などに販売したり、食品医薬品安全処（食薬処）の許可を得ずに製品を違法に製造し、オンラインショッピングモールなどで販売し、海外に輸出しようとした。

　彼らが製造したり輸入した無許可の体温計は12種類で、約3万1900個、13億（約1億2000万円）に相当する。

　市の民生司法警察団は、オンラインショッピングモールで無許可の体温計販売が行われ、販売公告が出続けているという情報提供を受け、7月から緊急捜査に乗り出した。現在も、オンラインショッピングモールを一つずつ探し、モニタリングする方式で捜査を進めている。

　皮膚に接触せずに体温を測定する非接触赤外線体温計は医療機器法の上、医療機器として分類され、製造・販売・輸入する場合には食薬処から許可と認証を受けなければならない。

　市の民生司法警察団は、医療機器である「体温計」の代わりに「温度計」という名称を使って消費者を混同させたり、FDAなど食薬処の許可と関連のない認証事項を掲載するなどの誤認広告334件も摘発し、管轄の地方自治体に是正措置を依頼した。

　ソウル市 民生司法警察団のパク・ジェヨン団長は、「新型コロナウイルス予防のための必需品である体温計を無許可で製造・違法流通させる行為は、新型コロナウイルス克服を妨害させる重大な違法行為」だとし、「市民の健康と安全が脅かされないよう、持続的な取り締まり活動と市民らの積極的な情報提供をもとに徹底した摘発を行っていく」と述べた。