3月、新型コロナの影響で仕事がなくなり済州島から出国する不法滞在者(資料写真)=(聯合ニュース)
3月、新型コロナの影響で仕事がなくなり済州島から出国する不法滞在者(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスの流行長期化を受け、韓国国内に不法滞在する外国人が急増し、40万人に迫っている。一方で国内に滞在する外国人の総数は減少し、現在は外国人全体のおよそ2割が不法滞在者という状況だ。不法滞在者を収容する施設も飽和状態と指摘されている。

◇新型コロナの感染拡大に伴い不法滞在者増加

 韓国法務部の出入国外国人政策本部が14日発表した統計によると、今年6月現在の国内の不法滞在者は39万8518人で、前年の同時点に比べ8.7%増加し、過去最多を記録した。新型コロナの感染拡大が本格化し始めた3月(約38万7000人)以降、増加を続け、5月は過去最も多い39万6654人となったが、すぐ翌月に最多を更新した。

 新型コロナの影響などで国内に滞在する外国人が決められた期限までに出国できず、不法滞在者となるケースが多いと分析される。

 不法滞在者のうち74.8%にあたる29万7994人は、観光などのため90日未満の滞在予定でビザ(査証)なし入国した短期滞在外国人だった。この人数は前年同月に比べ9.4%増加した。

 残りの10万人余りは外国籍の同胞や外国人登録証を持つ長期滞在外国人で、6.6%増加した。

 国内に滞在する外国人に占める不法滞在者の割合は18.7%で、過去最高だった前月に比べ、さらに0.2ポイント上昇した。

 出入国外国人政策本部の関係者は、新型コロナの影響で航空便がなくなり、短期滞在者がビザなし滞在の期限を過ぎても出国できなかったり、不法就労を狙ったりするケースが増えたと説明。長期滞在者は許可された在留期間を超えて国内で就労し、摘発されたケースが増加したと伝えた。

◇不法滞在者の収容施設は飽和状態

 不法滞在者が増え、外国人保護所など関連施設も頭を抱えている。

 外国人保護所は滞在期間が過ぎたり、国内法などに違反して強制退去の対象になったりした外国人を出国まで収容する臨時施設だ。市民団体が法務部に対する情報公開請求で入手した資料によると、ソウル近郊の京畿道・華城など全国3か所にある外国人保護所、出入国・外国人事務所に入所している外国人は8月時点で計760人と、6月(706人)に比べ7.7%増加し、今年に入り最も多くなった。

 華城の保護所関係者によると、他地域で保護していた外国人も受け入れたことで収容人数が大幅に増え、現在は使用できる保護室を全て稼働させている状態だという。

 さらに大きな問題は、この先も不法滞在者の増加が続くと予想されることだ。出入国外国人政策本部の関係者は「2~3月に入国した短期滞在外国人が滞在期限切れで不法滞在者になるケースが発生しているため、増加傾向はしばらく続くだろう」と話している。


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