韓日GSOMIAの失効が23日午前0時に迫っている(イラスト)=(聯合ニュース)
韓日GSOMIAの失効が23日午前0時に迫っている(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本が結んでいる軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が23日午前0時に迫るなか、失効した場合の両国による軍事情報の交換方式に関心が集まっている。 韓国政府は、GSOMIAが効力を失っても、韓米日3カ国の国防当局の情報共有に関する取り決め(TISA)により軍事情報を交換すれば特に問題はないとの立場だ。 青瓦台(大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は8月、GSOMIAの終了を決定した際の記者会見で、「GSOMIAの終了によって韓米日3カ国の安全保障協力が瓦解したり、日本との情報のやり取りが完全に打ち切られたりするわけではない。GSOMIA、TISAともに2級秘密まで扱い、TISAは米国を経由して日本と間接的に情報を共有するものだ」と説明していた。 だが、軍事専門家らはTISAとGSOMIAには明らかな違いがあると指摘する。2014年12月と16年11月にそれぞれ締結されたTISAとGSOMIAは、情報交換の方式や範囲などが異なるということだ。 TISAが米国を介して情報を交換するシステムであるのに対し、GSOMIAは韓日が直接共有するシステムだ。TISAでは韓日による直接の共有は不可能で、必ず米国を経由するため、緊迫した状況下で情報の共有に遅れが生じる恐れがある。 ある軍事専門家は、敵によるミサイル発射を想定した韓米日の警戒訓練を例に挙げ、「ミサイルを最初に発見した側が関連情報を伝播する必要があるが、TISAに基づくと機械的、または物理的に米国側に先に伝えねばならない」と指摘した。 ハリス駐韓米国大使も今月19日、聯合ニュースとの単独インタビューで「21世紀の戦闘のスピードの速さを考えると誰かを経由して情報を共有することはあり得ない」と述べ、GSOMIAの必要性を強調した。 TISAとGSOMIAはともに2級秘密まで扱うが、情報交換の範囲には違いがある。 TISAは北朝鮮の核・ミサイル脅威に関する直接的な情報に範囲が限られている一方、GSOMIAは核・ミサイルに関する間接的な情報も交換可能だ。 例えば、ミサイルを発射する移動式発射台や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した北朝鮮潜水艦の移動、潜水艦基地の動向といった情報も、GSOMIAに基づいて交換できる。 また、TISAは国際法的な効力のない機関間の取り決めであるのに対し、GSOMIAは国際法的な効力を持つ。 一部では、GSOMIAの終了を受けてTISAを補強する案も浮上しているが、GSOMIAがTISAの弱点を補うために締結されたことから現実味に欠けると指摘される。
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