法務部は29日、国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)を1990年に批准するにあたり、留保措置を取った第14条5項の刑事裁判上訴権について、来月2日に「留保撤回」を国連に通告する方針を明らかにした。
 第14条5項は刑事裁判の上訴権を規定したもので、「有罪の判決を受けたすべての者は、法律に基づきその判決及び刑罰を上級裁判所によって再審理される権利を持つ」と定めている。しかし、同項は大韓民国憲法第110条4項の「非常戒厳下の軍事裁判は、法律が定めた場合に限り単審で行うことができる」という規定と矛盾するとして、韓国は1990年に14条5項の留保付きで批准していた。

 後になって政府が規約を詳細に検討したところ、「権利の停止」を定めた第4条に「すべての刑事裁判の上訴権は保障され、非常事態の場合は規約上義務に反した措置を取ることができる」という条文が盛り込まれていることが分かった。規約内容通りなら、留保の背景となった憲法の「非常戒厳下における軍事裁判の単審制」部分も規定と矛盾しなかったことになる。批准時にこの部分が分かっていれば、留保付き批准のために国連から「人権後進国」と指摘されることも避けられた。 

 法務部は昨年1月に同条項の批准留保を撤回しようと、外交通商部に検討を要請し、議論を重ねてきた。国連人権委員会も昨年10月に韓国政府の規約履行有無を審議し、条項の留保撤回を強く求めていた。

 一方、国連人権委員会が第14条5項とともに留保撤回を要請した、規約22条「結社の自由」は、大韓民国憲法第33条2項の「公務員たる勤労者は、法律が定める者に限り、団結権、団体交渉権及び団体行動権を有する」と矛盾する恐れがあるため、政府は検討を続ける方針だ。


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