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米朝会談に対する北朝鮮の立場表明会見 正恩氏の意思反映か
【ハノイ(特別取材団)聯合ニュース】米朝首脳再会談が合意なく終了した後、沈黙を守っていた北朝鮮が1日午前0時(日本時間同2時)すぎに立場を表明したのは金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の意思が反映されたものとの見方が強い。 金委員長は前日の午後、トランプ米大統領との首脳会談を成果なしに終えた後、宿泊先のホテルに戻り、以後は外出しなかった。 ホテル周辺で動きがないまま夜が深まり、待機していた取材陣の間には北朝鮮からの立場表明はないとの見方が広まった。そんな中、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が急きょ会見を開き、各国のメディアが騒然となった。 午前0時に北朝鮮が会見を開いたのは、首脳会談が不調に終わった原因は北朝鮮が制裁の全面解除を求めたためとする米国の主張に反論するためのものとみられる。 李氏は要求した制裁の解除について、2016~17年に国連安全保障理事会で採択された制裁決議5件のうち、「民需経済や人民生活に支障を与える項目」のみを先に解除するよう求め、米国がこれに応じれば、北朝鮮は「寧辺地区のプルトニウムとウランを含む全ての核物質生産施設を米国の専門家の立ち会いの下、両国の技術者の共同作業で永久的に完全に廃棄」すると提案したと具体的に説明した。 このような発表は金委員長の指示や許可がなければできない。 また崔氏はこの席で、「米国との交渉に対する意欲を少し失ったのではないかという印象」、「米国式の計算が理解しがたいのではないか」など、金委員長の胸の内を推測するような異例の発言をした。 北朝鮮の体制を考慮すれば、これも事実上、金委員長の意思が込められた発言と受け止められる。 金委員長の意思は交渉を推進する核心的な役割を担っていたが、今回の会談を機に意思が弱まる可能性があるとの圧力カードを示したといえる。 またこの日の会見に、対米交渉を進めた金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長や金赫哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表ではなく、報道官に近い李氏と崔氏が出たのは、世論戦に負けない一方で、交渉の場を維持するという北朝鮮の思惑の表れとみることもできそうだ。