1月18日午後11時より、渋谷・セルリアンタワー東急ホテルにて、映画『夏物語』の主演イ・ビョンホン、スエ、そしてチョ・グンシク監督が参席する中、来日記者会見が行われた。ペ・ヨンジュンと並び絶大な人気を誇る“韓流スター”イ・ビョンホンの、1年9か月ぶりとなる映画PRということもあり、会場には200名ほどの報道陣が集まった。

イ・ビョンホン の最新ニュースまとめ

-共演したご感想は?
<b>イ・ビョンホン</b>:スエさんとは共演したことがなかったんですが、どういうわけかシナリオを読んだ時、スエさんの顔が頭に浮かんだんですね。そして、いざご一緒してみると、本当に適役で、非常に上手く演じきっていたと思います。映画の中のジョンインというキャラクターと、スエさん本人がとても似ているところがありまして、とてもいい演技を見せてくれたと思います。
<b>スエ</b>:私は学生の頃から、他の皆さんと同じように、イ・ビョンホンさんの大ファンでした。今回は恋人役として、ラブストーリーで初めてお会いすることができて、とても光栄です。私が抱いた第1印象というのは、ドラマで観たときのイメージ通りでした。本当に優しくて暖かく、女性に愛されるだけの資格がある方だなと思いました。

-この作品は60年代が舞台ですが、演じる上で難しかったことは?
<b>イ・ビョンホン</b>:確かに僕は1960年代には生きてはいませんでしたが、おぼろげながらその時代を察することができました。というのは子供の頃、まだ60年代の残像というものが残っていたからです。イデオロギーの対立によって人々の間に誤解が生じ、ある人は監獄に送られ、ある人はスパイ罪で死に至ったり…そうした状況は、今の時代では理解がしがたいのではないでしょうか。僕がある程度、理解できたのは、小学校の頃に歪曲された反共教育を受けた世代だからです。今の時代はオープンですから、何が真実かがすぐにわかりますが、僕が子供の頃は、誤った反共教育のせいで、そういった状況があったんです。難しかったのは、当時の人たちをどのように表現し、演じるかということでした。
ただ、人というのは場所や時間が変わっても、基本的な感情は大同小異ではないかと思うんです。もし違いがあるとしたら、当時は“純情”というものが残っていたことでしょうか。今の時代、“クール”であることが美徳だとしたら、当時の美しい愛というのは、やはり“純情”だったと思いますね。
<b>スエ</b>:私はもともと、1969年という時代に好奇心を持っていました。ただ、当時のことは全く知りませんが、今回の映画はロマンスでしたので、時代的な背景よりも、当時の人がどんな恋愛をしていたのかを自分なりに研究していました。その結果、当時の人も今の人も、愛に対する姿勢は変わらないんだと感じました。当時の人の方が、今よりも純粋だったのかなと思ったりもしましたが、その点に置いても変わらない気がします。

-この映画のテーマのひとつ、“初恋”の思い出は?
<b>スエ</b>:片想いで、ずっと心の中で想っていた人がいました。その初恋の人が、実はイ・ビョンホンさんに似ていたんですね。ですので、この映画の撮影が始まった時に、そのこともお話したのですが、そのせいかすんなり感情移入できました。
<b>イ・ビョンホン</b>:スエさんは何か、日本で話題をふりまこうとしてるのかもしれませんね(笑)。恋をしたことがない人はいないと思いますので、当然のことながら僕にも初恋の記憶はあるんですが、大切に心の中にしまっておきたいので、ここでは控えたいと思います。申し訳ありません。

-スエさんが桟橋で泣いているシーンで、イ・ビョンホンさんが愛嬌を振りまいて笑わせようとしていますね?アドリブが多いとのことですが、イ・ビョンホンさんの素顔が出ているのでしょうか?また、スエさんの感想は?
<b>イ・ビョンホン</b>:もともと、シナリオにはなかったんです。最初、シナリオに書かれていた通りにリハーサルをしてみたところ、あまり面白くなかったので、監督と話し合いながら作っていきました。そこではジョンインが少し機嫌をそこねていたので、彼女の気持ちをやわらげてられるようにと考えて、少しいたずらっぽく、1人2役のような感じで演じてみたんです。モニターでその映像を見て、周りにいる皆がとても喜び、気に入ってくれましたので、本番もくだけた感じで演じたところOKが出まして、今の本編になりました。
<b>スエ</b>:あのシーンでのジョンインの感情は、非常に暗い状態だったと思います。ですので、もっともっと感情移入して、役になりきって、沈んだ感じにしなくてはいけなかったのですが、イ・ビョンホンさんの演技がとても面白かったので、必死に笑いをこらえていました。

-(イ・ビョンホンに)実年齢とずいぶんかけ離れた役を演じていますが、苦労した点は?
<b>イ・ビョンホン</b>:過去のシーンにしても現在のシーンにしても、非常にプレッシャーが大きかったのですが、ただ、20代は自分も経験しています。当時のことを思い出して、心の中が情熱に満ちているような気持ちで演じていました。あの頃は、ちょっとした刺激にも大げさに反応したり…。そして、恐れるものはないような…そんな感性を心がけて演じていました。その反面、60代というのは、まだ経験していないので、あくまでも想像で演じたわけです。表情はある程度、メイクで助けてもらえるのですが、難しかったのはその年代の人の感情ですね。例えば、なんらかの状況に置かれた時、どういった反応を見せるのかとか…。おそらく、同じ刺激でも20代と60代というのは、反応が違うのではないでしょうか。60代になれば、喜怒哀楽も全て知っていますし、心に傷も負っている世代ですので、時間の流れと共に余裕が出てくるのではと思います。若い頃には想像もしなかった反応、例えば、普通だったら驚くところを笑い流してしまうような…そういう余裕があるのではないでしょうか。

-撮影中のエピソードは?
<b>スエ</b>:撮影中は、本当に暑かったんですね。しかも地方で撮影していましたので、真夏の暑さに苦労したのを覚えています。イ・ビョンホンさんが日焼けしてしまって、顔が黒くなっていたんですね。劇中、都会から田舎に来る青年で、私が田舎の女の子という設定だったので、本当は私の方が肌が黒くてもいいんですが、立場が逆転しているような、そんな感じでした。
<b>イ・ビョンホン</b>:僕と監督の誕生日が同じなんですね。現場で、合同誕生パーティーをしてくれました。僕たちに内緒で、スタッフとスエさんが準備をしていたのですが、スエさんがケーキも用意してくれて…また、一人ひとりにメッセージが書かれたノートもプレゼントしてくれました。そして今度はスエさんが誕生日を迎えまして、お返しに僕たちもケーキを準備して、やはり一言づつメッセージを書いたノートを渡しました。

-最後に、メッセージを。
<b>チョ・グンシク監督</b>:この映画の魅力は、ここにいる俳優2人の、美しくも悲しい心にあると思います。それは外見の美しさやカッコよさだけではなく、内面からにじみ出る美しさや悲しみといったもので、きっと皆さんの心の中にも刻まれるのではと思います。

映画『夏物語』は、来たる1月27日より日本公開予定。



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