特別検察官チームの事務所前で報道陣に囲まれる李氏=12日、ソウル(聯合ニュース)
特別検察官チームの事務所前で報道陣に囲まれる李氏=12日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府から独立して朴槿恵(パク・クネ)大統領が絡む疑惑と親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件を調べている特別検察官のチームが12日午前、サムスングループの事実上のトップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長に対する聴取を始めた。サムスンの崔被告側への支援は賄賂供与の疑いがあるとみて、李氏を被疑者として呼び出した。 ソウル市内にある特別検察官チームの事務所に到着した李氏は硬い表情で、報道陣の質問に具体的に返答することはせず、「今回のことで私たちが良い姿をお見せできなかった点、国民の皆さんに本当に申し訳なく思う」とだけ述べた。 特別検察官チームは、崔被告側への支援をめぐる朴大統領とサムスングループ間の「裏取引」疑惑の中心に李氏がいるとみている。李氏への聴取で、崔被告の存在をいつ知ったのか、崔被告側への支援に関与したのかなどを調べる。 特別検察官チームはサムスンが、李氏がグループを継承する上で欠かせなかった傘下のサムスン物産と第一毛織の合併に向けサムスン物産大株主の国民年金公団の支持を得ようと、朴大統領と親しい崔被告側への多額の支援を決定、実行したと疑っている。 サムスンは馬術の有望選手を育成するとの名目で2015年8月に、崔被告がドイツに設立した「コレスポーツ」と220億ウォン(約21億7000万円)に上るコンサルティング契約を結び、約35億ウォンを送金した。馬の購入代金にも43億ウォンを費やした。これらは崔被告の娘のチョン・ユラ容疑者一人のために使われたことが分かっている。 崔被告と同被告のめいのチャン・シホ被告が利権目当てに設立した疑いがある韓国冬季スポーツ英才センターにも16億2800万ウォンを支援。崔被告が実質的に支配した二つの財団には、大企業のうち最も多い204億ウォンを拠出した。 サムスンは、乗馬協会支援は朴大統領と崔被告の「圧力」と「強要」にあらがえなかったためで、便宜供与などは期待していなかったと主張している。「恐喝・強要の被害者」との立場だ。 李氏も先月、国会国政調査特別委員会の聴聞会に証人として出席した際、乗馬協会支援は見返りを求めたものではなく、サムスン物産と第一毛織合併に向けたロビー活動もなかったと証言した。これに関し特別検察官チームは、「大統領から賄賂を要求され、グループの役員・社員らに指示してグループ会社から大統領の指定先に賄賂を供与したにもかかわらず、そうした事実が全くないという趣旨で証言した部分」が偽証の疑いにあたると指摘している。 特別検察官チームは李氏を聴取し、その内容などを検討した後、未来戦略室トップなどサムスングループ首脳部の処罰水準や範囲を決める方針のようだ。
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