政府世宗庁舎内にある保健福祉部の関係部署にも家宅捜索が入った21日、世宗(聯合ニュース)
政府世宗庁舎内にある保健福祉部の関係部署にも家宅捜索が入った21日、世宗(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と親友の崔順実(チェ・スンシル)被告に関する疑惑を捜査する特別検察官のチームが21日、本格的な捜査を開始すると同時に、サムスングループによる多額の資金提供疑惑に絡んで国民年金管理公団に対する家宅捜索を実施した。 特別検察官チームの特別捜査官と同チームに派遣されている公務員が、ソウル市内にある国民年金公団の基金運用本部など約10カ所から書類などを押収した。政府世宗庁舎内の保健福祉部年金政策局も捜索対象だ。 特別検察官チームは、サムスングループ傘下のサムスン物産と第一毛織が昨年合併する際、サムスン物産の大株主だった国民年金が合併を支持した見返りに、サムスングループが崔被告に特別な計らいをしたのではないかとみている。 この合併は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長がグループ経営権を承継するための支配構造再編の柱だった。しかし、株主である外資系ヘッジファンドが合併に反対し、サムスンとしては国民年金の支持が不可欠な状況だった。その際に崔被告が手助けした疑いがある。 サムスンは崔被告とその娘で馬術選手のチョン・ユラ氏に馬の購入費用などの名目で220億ウォン(約21億円)を支援した疑惑がある。また、サムスンは崔被告が実質的に支配した二つの財団に、企業のうち最も多い計204億ウォンを拠出した。こうした通常では考えられないような支援を行った背景に、グループ最大の懸案だったサムスン物産と第一毛織の合併で崔被告が何らかの役割を果たしたのではないかとの疑惑が出ている。 国民年金による合併承認手続きが規定通り行われなかったという指摘も、疑惑の信ぴょう性を高めている。 また、国民年金が合併賛成を決めてから半月後の7月25日には、朴大統領とサムスン電子の李副会長が青瓦台(大統領府)で面談した。朴大統領は同日と前日に主要7企業グループのトップを呼んで非公式に個別面談し、崔被告が支配した2財団への支援を要請したとされている。 これらの状況を踏まえると、国民年金に対する捜査は自然と朴大統領の収賄容疑解明の方向へ進むと見込まれる。
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