施政方針演説を行う朴大統領=24日、ソウル(聯合ニュース)
施政方針演説を行う朴大統領=24日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が24日、国会で施政方針演説を行い、任期内に憲法改正を目指す意向を公式に表明した。任期を1年4カ月残し、改憲カードを切ったのである。   朴大統領は大統領選当時、大統領の任期を2期4年にすることを骨子とした改憲公約を掲げた。だが、就任後は「改憲議論がブラックホールのように全てを吸い込む」として、経済政策を優先させる立場を取ってきたため、今回の表明は「サプライズ」として受け止められる。4月に行われた報道各社幹部との懇談会でも「今の状態で改憲をすると、経済はどうなるのか」と否定的な考えを示していた。 与野党の改憲要求に応じなかった朴大統領が任期終盤に立場を変えたのは、政界が5年ごとの大統領選に合わせて泥仕合の様相を呈する政争を繰り返す政治に構造的な限界を感じたためとみられる。 朴大統領は演説で、「われわれの政治は大統領選の翌日から次期大統領選が始まる政治体制のため、極端な政争や対立が日常となり、国民の暮らしより政権交代を目的として戦う悪循環が繰り返されている」と指摘した。 次期大統領選を見据えた与野党の政争により、政策の推進が困難となり、政権交代が起こる場合は政策の連続性が保障されないことから、現行の1期5年の大統領選には限界があるというのが朴大統領の認識のようだ。 経済再生などの政策の推進に支障が出ると指摘してきたが、1987年に始まった1期5年の大統領制が持つ構造的な限界を実感し、改憲を通じて新しい「2017年体制」を発足させる構想といえる。 とりわけ、今年実施された国会議員総選挙で与党が惨敗し、少数与党体制になっているほか、青瓦台(大統領府)の禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政秘書官の収賄疑惑や、企業から資金を集めてスポーツ・文化支援の財団を設立した朴大統領側近の女性、チェ・スンシル氏が関与した疑惑などをめぐって与野党が激しく対立していることも背景にあるとみられる。 また、厳しい制裁を加えているにもかかわらず、北朝鮮が核とミサイル開発を続けていること、来年末の大統領選挙で政権交代が起これば韓国政府の対北朝鮮政策が変わる可能性があることも影響したとみられる。 こうした中、有力な大統領選候補らが改憲の必要性を主張していることや、国民が改憲に肯定的とする世論調査の結果も働いたようだ。 朴大統領が公約に掲げた2期4年の案を推進するかどうかについて、青瓦台関係者は「まだ方向性は決まっていない」として、原点から検討していく方針を示唆した。
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