重光宏之前日本ロッテホールディングス副会長が12日、ザ・ペニンシュラ東京で記者会見を行い、日本ロッテHDの佃孝之社長及びグループ4社に対して、損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。(提供:news1)
重光宏之前日本ロッテホールディングス副会長が12日、ザ・ペニンシュラ東京で記者会見を行い、日本ロッテHDの佃孝之社長及びグループ4社に対して、損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。(提供:news1)
重光宏之(韓国 名:辛東主/シン・ドンジュ、61)前日本ロッテホールディングス副会長が12日、ザ・ペニンシュラ東京で記者会見を行い、日本ロッテホールディングス代表取締役の佃孝之氏及びロッテグループ4社に対して、損害賠償を求めて提訴したことを明らかにした。


 以下、発表文全文

 お忙しい中、ご出席いただいた皆さんに感謝いたします。まずこの場を借りてロッテグループの顧客、関係会社そして社員とその家族の皆さんにご心配かけました点についてお詫びいたします。現在のロッテグループ経営権問題について、できるだけ早く事態収拾するために努力していきます。今回の問題の発端となった経緯と本日の提訴について先にご説明します。

 ロッテグループは、創業者である重光武雄(韓国名:辛格浩/シン・ギョクホ、92)によって菓子製造業者として始まり、日韓を中心に顧客と関係会社の皆さんに愛されながら成長してきました。そのような中で、今までロッテグループの日本事業は私が担ってきました。しかし急に昨年12月以降、ロッテグループの計26社の取締役職から解任されました。これは佃孝之ロッテホールディングス社長の創業者への虚偽及び意図的に歪曲した報告によるものであることが明らかになりました。これに関する詳しい内容は後ほど説明いたします。企業の成長と共に事業の透明性が要求されるロッテグループにおいて、あまりに不当な方法で解任する、看過できない問題が起きたのです。これに関して主導的な役割をした佃社長に対して行為の不当性をはっきりするために提訴したのであり、そのように不当に解任された26社のうち取締役として在籍していた4社に対しても共に提訴しました。また創業者自身も7月2日に本人の意志とは関係なく、ロッテホールディングス代表取締役の地位から解任されました。

 このような独断的な専横はロッテグループの基本秩序を黙殺する行為であり、到底受け入れられないことです。今回の記者会見及び提訴は、日韓において愛されてきたロッテグループの望ましい姿を取り戻すための第一歩です。今後事態の早期収拾のため、創業者の重光武雄と共に全力を尽くしていくつもりです。

 次に、今回問題の発端になった経緯について説明いたします。ロッテグループは重光武雄が創業して70年近く、その指導力のもとに発展させてきた会社です。一連の騒動が起きる前までは日本は長男の私が、韓国は次男の重光昭夫(韓国名:辛東彬/シン・ドンビン、60)が経営を任され、創業者は日韓を行き来しておりましたが、4年前からソウルに留まって事業報告を受けたり決済をしたりするようになりました。その期間、ロッテホールディングス代表取締役である佃氏は月2回、創業者のいるソウルに行って事業報告などをしていました。

 その中で、当時ロッテホールディングスの副会長である私が、独断的に事業を進めて損失を出したという意図的に歪曲した虚偽の報告をしました。具体的な内容は、私が社長を兼任していた子会社の一つで新規事業を始め、親会社の許可を得ず、また周囲が反対するにもかかわらず事業を推進したというのです。しかし実際は、新規事業を開始する時から佃氏が議長として勤務していた親会社の取締役会で満場一致の承認を受けていました。また会社の支給に関する全ての決済も受けました。契約の当事者が私の知人だということも全て嘘であり、相当な規模の成長企業の子会社でした。

 その上、私は今まで30年近く、日本事業に従事してきて製品の製造現場と共に品質向上、費用削減に大きな成果を出し、販売会社の社長としても全国の取引先に毎週自ら通い、熾烈な環境の中でも質的向上を達成するなど、ロッテグループの発展を牽引してまいりました。したがって当時、私が取締役から解任されるだけの理由は全くなかったのです。

 このような悪意的な報告が続いていたことを知らなかった私は当時、販売会社であるロッテ商事の社長として業務に邁進していたため、日本から離れることができず、創業者に会うことすら困難な状況でした。

 昨年12月19日に創業者は私の解任に同意したと聞きました。これは佃氏とその側近の役員らが間違った情報をもとに創業者から受けた決定だということを、後からわかりました。創業者の同意を根拠に佃氏は、12月22日に私が不参加の中で行われたロッテホールディングスの取締役会で取締役の辞任を要求する決議をしました。その後、12月26日の取締役会で辞任を拒否した私を副会長職から解任させる決議をしました。同じように虚偽報告された子会社1社の案件だった新規事業進出を口実に、ロッテホールディングスをはじめ26社の取締役職全てを解任する決議をしたのです。

 このような佃氏の創業者に対する報告は全て虚偽であり、私をグループから排除するための目的でおこなったことが判明したのです。さらにこれはロッテホールディングスの代表取締役として許されない重大なコンプライアンス違反です。

 その後、このようにねつ造された解任理由の真実を明らかにするため、私は創業者に説明を続け、創業者はことし7月3日にこの騒動の張本人である佃氏に辞任を要求しました。佃氏はその場で辞意を表明しましたが、その後厚かましい態度を取っているだけでした。これに耐えられなかった創業者と私は、ことし7月27日にロッテホールディングス本社に行って、一連の騒動を終息させ、全ての人をこれ以上の混乱を与えないようにすることになりました。しかし私どもが本社に到着した時に、驚いたことに現職役員が社長室に集まってカギをかけて閉じこもり続け、対話もできませんでした。さらに彼らは会社の印鑑などをキャビネットに隠してカギをかけ、そのカギを持って行ってしまいました。

 これに対して、創業者と私は本社にいた約300人の社員を集め、現職役員の職務を解除し、すぐに正式な手続きを経て解任することと、私を中心にした新たな体制を構築していくことを宣言しました。

 この日、我々の前に姿を現さなかった現職役員らは、翌日の7月28日に本社の戸に鍵をかけて緊急役員会を開き、創業者から代表権を奪って名誉会長に追いやる決定をしました。この緊急役員会は、創業者すら解任させる結果を生み出しました。これがこれまで起きた騒動の真相です。

 創業以来、創業者が大事に守ってきた「人に迷惑をかけるな」、「信頼を守れ」、「同僚を大事にしろ」という信念を正面から否定する現在の経営陣が、顧客や関係会社そして社員とその家族の皆さんに良い結果を約束することができず、ロッテグループとしても悲劇的なことであるだけです。改めて申し上げますが、私は日韓両国において愛されてきたロッテグループの望ましい姿を取り戻すために、創業者と共に全力を尽くしていくつもりです。


[持株会及び社員に捧げるメッセージ]

 最後に社員とその家族の皆さんにご迷惑をかけてしまい、心からお詫びいたします。今までロッテグループが大きく成長してきたのは、顧客からの愛と社員の努力があったからです。そして創業者も創業から社員を大事にするという信念をもっていたからであります。私としてもそのような創業者の信念を継承しくつもりです。

 また社員の皆さんには不当な解任に加担した現職経営陣からの一方的な情報ではなく、何が真実なのかを把握し、皆さんが勤めるロッテグループのために何が最善なのかを考えて勇気を持って行動するよう願います。

 社員を大事に思う創業者の信念は、従業員持株会がロッテホールディングスの第2の大株主だという点からも表れています。従業員持株会はロッテホールディングスの経営においてとても重要な位置にあります。しかし8月17日の臨時株主総会の開催を前に、人事権をバックに従業員持株会の理事などに現職経営陣の意志に従い、議決権行使をするよう促したと聞いています。経営権を取り巻く争いが発生している現在の局面においては、従業員持株会の議決権行使が歪曲されないよう、ロッテホールディングスは公正な投票環境を保証しなければならないと思います。今後、事態の早期収拾のため、創業者である重光武雄と共に全力を尽くして、必ずこれを正すようにします。そしてその時が来たら、どうか創業の理念に戻り、協力してくださいますようお願いします。

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