ソウル江南(カンナム)警察署によると、先月26日に新沙洞(シンサドン)にある医院で「プチ整形」と呼ばれる脂肪移植手術を受けたキム某さん(30、女性)が、手術後に異常を訴え、2日後の28日に死亡した。キムさんは手術後すぐに違和感を訴え、翌日の27日、順天郷(スンチョンヒャン)大学病院へ運ばれたが、命を落とした。病院側は死因を敗血性ショックと発表した。
これを前にことし1月には、江南の整形外科で手術を受けていた中国人観光客が脳死状態に陥る事故が発生。この患者は1月27日、清潭洞(チョンダムドン)にある整形外科で手術を受けている途中、心臓技能の停止で脳死状態となった。
また、昨年12月末には、ソウル市内の整形外科で“手術室での誕生日パーティー”事件が明るみとなった。同病院の医療陣は、手術台に横になる患者をそのままにし、ロウソクに火をつけたバースデーケーキを持ち込んだり、手術室内で飲食をしたりしていた。さらに、胸の手術に使用する保形物でふざけ、写真まで撮ってSNSに掲載。手術室の様子を公開すること自体が医療界ではタブーであり、感染が憂慮される危険な状況だった。
一方、韓国消費者院は先月3日、ここ2年間の整形手術関連の被害事例214件のうち、147件(68.7%)は副作用だったと明かした。違約金過当請求など契約関連の被害は、67件(31.3%)を記録したという。
このように、医療現場での不祥事に加え、副作用による消費者の不満までが続出したことで、韓国の一大産業ともいえる「整形ツアー」に赤信号が点ることを恐れた韓国政府は、違法な仲介業者や無認可で営業するクリニックの取り締まりを強化。さらに、韓国の警察、保健福祉部などが本格対応に乗り出した。
ソウル警察は、医療過失に対する捜査専門性を高めるため、医療事故専門担当捜査チームを新設した。医療捜査チームは捜査官7人、検視調査官1人の8人で構成され、科学捜査系で勤務中の医療経験警察官や検視調査官も事案によっては操作支援できる。今後、警察病院との協力体制も備える方針だ。
韓国で相次ぐ整形手術中の事故・不祥事は、もはや韓国国内だけの問題に留まらず、国を超えての大事件となりかねない。
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