事故現場近くの体育館で朴大統領の談話発表を聞く犠牲者の家族ら=19日、珍島(聯合ニュース)
事故現場近くの体育館で朴大統領の談話発表を聞く犠牲者の家族ら=19日、珍島(聯合ニュース)
【珍島聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が19日、旅客船セウォル号沈没事故に関する国民向け談話で海洋警察庁の解体を表明したことについて、行方不明者の家族の間では救助作業に支障が生じるのではないかとの不安が広がっている。
 談話発表直後、行方不明者の家族6人が珍島郡庁を訪問し、李柱栄(イ・ジュヨン)海洋水産部長官に対し、「(海洋警察の人数が)事故現場から減ってはならない。最後の1人まで救わなければならない」と訴え、「今このような談話を発表し、どうしようというのだ」と発表の時期について不満を訴えた。抗議に対し李長官は、「最後の1人まで最善を尽くして救う」と答えた。
 行方不明者の家族らは大統領の談話に救助に対する言及がなく、また最前線で捜索作業に当たっている海洋警察の解体を宣言したことに対し強い不満をみせている。
 珍島の体育館で待機している行方不明者の家族も「最も重要なことが不明者の救助なのに、談話でなぜ救助の話が抜けているのか分からない」とした上で、「現在、海洋警察が救助を主導しているのに、その海洋警察を解体して、現場がまともに機能するはずがない」と訴えた。
 行方不明者の家族らは修学旅行中の生徒らに多数の犠牲者が出た檀園高校がある京畿道・安山の被害家族対策委員会代表団と協議し、珍島で記者会見を行い、政府に対する要求を発表することについて協議中で、今後の対応に注目が集まる。
 同対策委関係者は「ひとまず大統領の公式謝罪と談話の発表内容について、遺族たちの意見を集め、整理するよう伝えた」とした上で、「整理した内容を今日か明日に発表する計画だが、行方不明者の救助に対する言及が全くなかったことは寂しく思う」と伝えた。
 ◇現場も動揺隠せず
 事故現場で救助作業を行っている海洋警察の職員も大きな衝撃を受けた。
 海洋警察のある職員は、今後組織が解体されれば、自分たちの身分がどうなるか分からないと不安がった。
 海洋警察は今回の「海洋警察解体」の発表と関連して、解体と関係なく行方不明者の捜索を進めるとの立場を示した。
 政府の事故対策本部は同日午前、珍島郡庁で開かれた定例会見で、官民軍合同構造チーム122人を待機させ、3階食堂台所などを大々的に確認捜索する計画だと明らかにした。
 沈没から34日目となる19日の正午現在の死者は286人、不明者は18人。

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