【ソウル聯合ニュース】2007年の第2回南北首脳会談での議事録が破棄された疑惑を捜査中の韓国の検察は2日、議事録が国家記録院の大統領記録館に保管されていないと結論付けたことを発表した。
 この事件を捜査中のソウル中央地検は、「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で国家記録院に移された大統領記録物全体を確認した結果、正式に移管された記録物の中に議事録は存在しないことが確認された」と説明した。
 また、2007年8月の南北首脳会談後に議事録が青瓦台(大統領府)の文書管理システムに登録されたが、その後に削除された痕跡が確認されたと明らかにした。さらに、盧元大統領の私邸から流出した後、回収された同システムからも、議事録が削除された痕跡が発見された。盧元大統領私邸の同システムは青瓦台のものをコピーしたもので、削除の痕跡が共通して発見されたとみられる。
 検察は当時の盧武鉉政権が議事録を国家記録院への移管対象に含まずに削除したため、議事録は国家記録院で発見されなかったと分析した。 
 検察の説明によると、盧武鉉政権当時、議事録草案をつくったが、これを同システムに一度登録した後、削除した文書が一つあるという。また、これと同じ内容の文書がもう一つ情報機関・国家情報院(国情院)に保管されている。
 検察は、議事録が同システムに登録された後、削除された経緯について今月中旬をめどに明らかにするとしている。 
 来週から盧武鉉政権で大統領記録物の作成・保管に関わった約30人を呼んで取り調べを行う方針だ。
 議事録をめぐっては、南北会談当時に盧大統領(当時)が海上の南北軍事境界線と位置付けられる北方限界線(NLL)を放棄するような発言をした疑惑が浮上し、国情院が6月に議事録の複写版の一部を公開。与党セヌリ党は盧元大統領がNLLを北朝鮮に譲歩する発言をしたと批判したが、盧氏の流れをくむ最大野党・民主党は国情院が盧氏の発言内容をねじ曲げたと反発した。与野党は政争の末に合同の閲覧委員会を立ち上げ、国家記録院で議事録を閲覧しようとしたが、行方不明になっていることが判明。セヌリ党は関連者らを検察に告発し、検察が捜査を進めていた。

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